新しい生活様式
先日、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から掲示された「新しい生活様式」。
今ではすっかり周知された、1.身体的距離の確保、2.マスクの着用、3.手洗い、は感染防止の基本三点セットはもちろんのこと‥
生活場面ごとの実践例(買い物、公共機関の利用、食事等々)について、新型コロナウイルスの感染が再び拡大しないよう、日常生活の中で実践例等も示されている。
職業柄、気になるのは‥コンサートについての表記。
具体的にコンサートやイベントという項はなかったので、「娯楽 スポーツ等」を確認すると‥
うーーーーむ。難題だ。
新しい生活様式下、コンサートの形
コンサートにおいては、何から何でもオンラインで・・・といわけにはいかない。
特定警戒都道府県を除く、34県でのイベントの制限緩和は「参加者が最大50人程度の想定とし、歌唱を伴わない演奏会や茶会、近距離での会話のない野外イベント」とされている。
はたしてどんなコンサートなら開催可能になるか‥考えてみた。
まず、歌唱を伴わないとなると‥楽器のみで演奏されるインストや、クラシックのコンサートが思い浮かぶ。例えば…
‥適度な距離感で?‥
弦楽器、ピアノ、チェンバロ、ハープ、ギター、ウクレレ、打楽器など。
※飛沫防止という観点から考えて、息を吹いて発音する楽器は、念のため一旦除外。
そもそも「参加者が最大50人程度で歌唱をともなわないもの」となると、視点が難しい。
「来場者数が50人まで / ジャンルは歌唱をともなわないもの」という意味だろうけれど、演奏者が40人の場合は、来場者がたとえ10人であっても、密だと判断されるだろう。
そうなると、オーケストラは難しいし、歌唱をしなくても、大人数のダンスなども難しい。
また、コンサートを興行として開催すると考えた場合、50人は少なすぎる。要するに、売り上げが出ない。
収支で考えた場合、たとえば、チケット代金が3,000円として、50人入ったとして、150,000円の売り上げ。
比較的、料金が安い公共の会館/ホールだとしても、半日から一日借りて3~4万。
ホール備え付けの音響、照明の利用で2~3万。ピアノを使う場合には、ピアノ利用料金に調律代金なども必要となる。
担当スタッフにも業務をお願いし、チラシ・チケットなどの印刷物を作り広報をして…と考えると、コンサートの運営はムズカシイことだろう。
私達が関わっているコンサートのは、小規模ながら、来場者数は100~500人ほど。
コンサートは、「密」だからこそ、成り立っている。
野外イベントならどう?
新しい生活様式には、こんな項目もある。
●人との間隔はできるだけ2m(最低1m)空ける
●遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
となると、やはり野外イベントとなる。
といっても、夏フェスのような、何万人も来場する密なフェスじゃなく、ちょっと緩めのイベント。
とはいえ、イベントやコンサートは、お客様に来ていただいて “なんぼ” 。
野外にもかかわらず、集客できすぎると困る‥という、ご時世ならではの悩みがつきまとう。
流れそうめんの機械のような、楕円の単純な流れるプールの中央に演奏者‥をイメージする私達。
仮)流れるプールでコンサート
泳げる人も、みんな浮き輪有。流れ+浮き輪で、密を作れないようにする。
歌も会話もダメとなると、司会も、演奏中のMCなど「話す」行為を減らすとして‥
ゆる~りプール内で浮き輪で流れる人が、演奏にただ耳を傾ける‥
という、一見おもしろそうでありながら、シュールな画が思い浮かぶ。
これは極端な例にしても、新しい生活様式をクリアできるようなコンサートも、きっと今後でてくるだろう。
今日も夏~冬に担当予定だったコンサート中止のお知らせが何件か入ってきた。
私達は今まさに、新しい時代の波の中を漂っている。