先日のとある曇りの日。
庭の整備をしていたら…手は痛いし、体力も尽きてヘトヘト‥身体も冷えて‥気づけば15時過ぎ。
ご飯を準備する気力がなかったので、三井寺の開運そばへ向かった。
お気に入りの「きつねあんかけそば」を食べて、体力回復!生姜たっぷりで身体もほっこり。
夕方だったので、誰もお客様はいなくて私達だけ。
お会計で隊長が「ありがとうございました~!」と言う声が、いつもよりしっかり聞こえてきて‥
その時「ありがとう」と伝える人で良かったなぁ。ふとそんなことを思った。
ありがとうを伝える理由
私は、買い物をする時、店員さんに「ありがとうございます」と伝えることが多く、飲食店では「ご馳走様でした。美味しかったです!」と伝える。
もちろん、不愉快な気分になるようなことがあったり、美味しいと思わなかった時は言わないし、嘘はつかない。
でも、そうするようになったのは、自分が接客していた時、伝えてもらえることが嬉しかったから‥に尽きる。
たった一言かけてもらっただけで、疲れがふっとぶほど、嬉しかったこともあった。
隊長を見ていると、お会計でいつも「ありがとう!」「ありがとうございます~」と言っていて、ちょっと不思議だった。
なんで「ありがとう」って言うの?と聞いてみると、「なんか楽しいやん。これもコミュニケーションやん。」とわかるようでわからない答え。
もうちょっと掘り下げて聞いてみると‥どうもアメリカに留学していた時の出来事が大きいらしい。
スーパーでレジで並ぶ時、レジさんがのんびりしていても、誰もイライラすることもなく、清算前のモノを食べながら、後ろの人と会話を始めたり‥
建物に入る時、前の人が必ずといっていいほど、ドアを開けてくれていて「サンキュー」と話したり‥
一番びっくりしたのは、バスに乗ったときのコト。
運転手さんが運転中に「ちょっと待ってて~」とお昼ご飯を買いに行ったという。
そして、戻ってきたら、常連らしき乗客が「今日のランチはなに?」「今日はサンドイッチだよ~」と笑いながら、出発進行。
このコミュニケーションが楽しかったらしい。
礼儀も文化も違うので、日本で同じようなことが起こらないのはわかるけれど、サービスを提供する側も受ける側も、対等な関係がいいなと思う。
同級生の友人の対応に感服
コミュニケーションといえば、今でも忘れられないことがある。
もうかれこれ20年ほど前‥友人の男子と、梅田の地下にあるチケット売り場に並んでいた時のこと。
購入する人が多く並び列ができていた。最後尾に並んでいたら…
小柄なおばあさんが、私達の前にすっと入った。
わざと割り込んだのか、気がついていないのか‥微妙だったのだけど、順番抜かし的にルールを守らない人がキライな私は、一瞬ムッとした。
「すいません、並んでいたんですが…」と私が言い出そうかと思う前に、後ろに人がいたことに気づいたおばあさん。
すると、友人の彼が笑って声をかけた。
「ええよええよ。おばあちゃん並んどき~~。」
おばあちゃんは笑顔で「ありがとう」と言い、順番が来るまでの時間、ちょっと会話したりしながら優しい空気が流れた。
彼の心の大きさと比べ、なんて自分はちっちゃいんだろうと痛感。
あの時、私が先に話しかけていたら、こんな空気にはなっていない。
おばあちゃんの笑顔を見ることもなかったはず。
彼は、場を明るくして、周りを巻き込んでいくパワーがある人で‥
いつも周りに優しい気遣いができて、コミュニケーション力の高さがすごいなぁと思ってたし、天性のものだとも思ってきた。
でも、今思えば、彼も「楽しいほうがいいやん」という気持ちがあるだろうなと思う。
言葉がけひとつで、想定していた展開が一瞬にして変わる様子を目の当たりにして、彼が周りから愛される理由がわかった気がした出来事だった。
今は都会に就職したので、なかなか会えないけれど、いつ出会っても刺激をもらう友人の一人だ。
日常において、一番身近なコミュニケーションは「ありがとう」きっかけが多い。
相方が「ありがとう」を伝えるヒトで、そのやりとりをまた楽しんでいたことは、なんとも和やかで安心するし良かったなぁと思う。
お店をはじめたことで、お客様とお話する時間がとても楽しいと感じる中、どんな立場の時でも「ありがとう」からはじまるやりとりを大事に‥そして、楽しんでゆきたい。