日本の年末、師走の風物詩と言えば12月25日のクリスマス。
イエスキリストの生誕を祝うクリスマスは、日本の一大イベントだ。
スーパーやコンビニにはクリスマスケーキが並び、クリスマスセールはいたるところで行われる。
それに比べて、日本人の約6割強の8470万人(2013年統計より)が仏教徒だと言われているが、仏教の開祖である仏陀の誕生日に、同じような規模でイベントが行われることは無い。
この不思議な現象。
年中行事に興味薄の私だが、そんなことはいつも気になってしまう。
仏陀の誕生日は?
さてはて仏陀の誕生日。
実は、今日・四月八日なのである。(誕生については諸説あるが、日本では四月八日とされていることが多い)
仏陀の誕生を祝う仏教行事は灌仏会(かんぶつえ)。
一般的には花まつりと呼ばれている。桜の時期と相まってか、なかなか素敵な名称だと私は思う。
うちは代々、仏教徒(浄土真宗)なのだが、家族で「花まつり」を祝った記憶はまったく無いという、残念な仏教徒だ。
唯一ある思い出は、幼少期に日曜学校で行われた花まつり行事で、お菓子をもらったという程度。
お菓子をもらえるから、花まつりの時期だけ日曜学校に行くという、さらにバチアタリな子供だった。
衝撃の入学式
高校は、京都市の仏教系の学校に通った。
仏教系と言っても、高校入試に少しつまづいた為に、宗系がちょっとだけ違う学校に入学。入学式が行われるのは、この「花まつり」と時期が重なる。
高校の体育館で行われる入学式。
これがなかなか私にとっては衝撃的だった。
学校の体育館のステージ奥には、なんと祭壇があった。
その祭壇に祀られている仏像の前で入学式が行われるのだ。
仏様に見られながら行う入学式。
何か神秘的なものを感じた為というより、見られている感によって、背筋をいつも以上にピンと張ってないといけない気がした。
学校の体育館の一部が、舞台になっているのは良く見かけると思うが、舞台の奥に祭壇がある光景はなかなかみられるものではない。
※母校のウェブサイトには、講堂(通学していた当時は体育館)体育の授業や部活が行われると書かれている。
ステージ奥の祭壇は、お寺のものとは少し異なり、奥扉・前扉があり、仏像は何重にもある扉で守られている。
そうはいっても体育館、もちろん球技も行われる。
ボールが扉に当たると、たとえ何重になっていたとしても、衝撃は内部に少しは伝わるだろう。その際、仏像はどうなるのだろうか?と気になってしょうがなかった。
ボールが祭壇の扉に当たったら、それは失礼にあたらないのだろうか?バチアタリにはならないのか?それが原因で仏様の怒りにふれ、全国大会予選で惜しくも敗退!なんてことにならないかと、つまらぬ心配をしていた私。
これまた仏陀と共に
高校では、ちょっとかわった科目があった。
釈迦の生い立ちから、その人生を学ぶ「宗教」という授業だ。
※満点は100。少々残念な「宗教」の成績。
学年が上がると「倫理」と名前が変わるが、そちらも成績は微妙…倫理観無しである。
仏陀は、生まれた直後に七歩歩いて、右手で天を左手で地を指し「天上天下唯我独尊」といった事や、乳がゆで釈迦の命を救った女性との逸話などを学ぶのである。
修行と苦行で倒れていた仏陀に‥ある女性が母乳から乳粥を作って食べさしたという逸話。この女性の名が“スジャータ”。
あの「スジャ~タ~♪スジャ~タ~♪」で有名な「褐色の恋人スジャータ」の名前の元となったのである。この手の話はちゃっかり記憶している。
その後、大学も同じ仏教系の学校に進み、これまた仏教学を学ぶことになった。そして残念なことに、1回生で取れるはずの仏教学の単位を落とし、2回生も仏教学と向き合い‥同級生より一年多めに勉強。
高校の三年間&大学の二年間、合計五年間にわたり仏教について学ぶという、なんともお釈迦様好きな学生になってしまったのだ。
花まつりイベント
この時期、日本各地の寺院では「花まつり」イベントが行われている。
イベントは誰でも参加できるところが多く、全日本仏教会のウエブサイトでもまとめられている。
インスタ映えするかどうか?は微妙だが…“お釈迦さまの顔出しパネル”なんかを設置している寺院もある。
それは仏陀をイジッテいることにはならないのか?仏陀の逆鱗に触れることはないのか?と少々心配もあるが…仏様は寛容なのだろう。
全日本仏教会のウエブサイトを見ると、四月八日以降もイベントが開催されるお寺もあるみたいだ。
学生時代、身近にあった仏教のおかげで、「クリスマス」よりも「花まつり」のほうが身近になった私。
スマホに表示された4/8を見ながら「お花見のついでに、花まつりイベントというのも、春の風物詩として、いいんじゃないの~♪」なんてことを思う。
お山の桜もぼちぼち見頃。
車で走っていると、真新しい学生服を着た子や、スーツ姿の若者を見かける。
私にとって4月といえば、桜、入学、そして、花まつり。
春の風物詩を感じながら、私は今日もパソコン前で業務に勤しんだのでした。