お仕事手帖

【録画配信コンサート】打楽器デュオ -COCO・湖鼓・DUO-

8月26日、滋賀県にも発令された「緊急事態宣言」。

県下初となった発令のインパクトは大きく、発令直後から「9月○日の公演は延期します。」の連絡が入り始め、お手伝いする予定だったコンサートも急遽中止になった。

ガイドラインに従って行えば、緊急事態宣言下であってもコンサートは出来る。

しかし、そうはいっても、ご来場のお客様のこと、関わるスタッフや関係者、感染の拡大防止や逼迫する医療機関への配慮等‥延期や中止を選択される方も多いのが現状である。

コンサートは動画配信で

緊急事態宣言が発令された後、コンサートホールの管理・運営をお手伝いしている大津市のフィガロホールのオーナーさんから「ちょっと相談があるんだけど…」と連絡があった。

「9月の頭にあるコンサート。開催するかどうか迷っておられるんだけど、動画配信という形で行うことは出来ないかな~?」という相談だった。

当日、私達もコンサートスタッフとして入る予定だったコンサート。緊急事態宣言の真っ只中となってしまい、開催するか検討していると聞いてはいたが…

ホールの技術スタッフは私一人。
しかも、コンサート配信の経験は全くなし。今から勉強して遂行するにはハードルが高い。

しかも、有料で行うとなると、途切れずに配信することは必須。通信環境や映像・音声のケアなど、乗り越えなければいけないハードルは、ますます高くなる。

開催日まで一週間を切っていたこともあり「収録したコンサート映像を、後日、観てもらうようにする。」という方針で、コンサート開催は中止し、同日に収録を行うことになった。

急遽設定された目標は‥

収録 ⇒ 配信公開までは出来るだけ短期間
音質は重視すること

短期間で配信までこぎつけるとなると、編集にかけられる時間はあまりない。

「一つのカメラで舞台全体を収録し、後で、同時に録音した音源と合成しよう。」という話に落ち着きかけたところ…

「1カメでは、面白くないやん。何台かカメラを設置してスイッチングするのはどう?ビデオカメラは何台かあるし。そう思って、ホールの備品としてスイッチャー(カメラを切り替えする機械)を購入しといたので、後はヨロシク~。」

ホールオーナーからやってきたパス。その日から、新しい機械(スイッチャー)の勉強がスタートした。

 

導入されたBlacMagic社のATEM mini(スイッチャー&動画配信機材)

打楽器チームの結束は強し

一通り、スイッチャーの勉強もして、録画が出来ることも確認。

今回、私はライブレコーディング&スイッチング(画面切り替え)を担当することになったのだが、不安がひとつ。

曲を知らない私が、演奏の美味しい場面をスイッチングで繋げていけるかどうか‥

なかなか大変な役目を担うことになったと思いつつ、コンサートホールへ到着し、準備を進めた。

収録するのは、「COCO-湖鼓-DUO」のコンサート。

 

チラシデザインはリス担当

 

打楽器奏者の中村めぐみさんと久保菜々恵さんのお二人で結成された打楽器デュオだ。

打楽器のコンサートは、いつも思うけれど、楽器の運搬・搬入・準備が大変。

 

マリンバ&ビブラホン
各パーツを運び込んだ後、組み立てます♪

 

というのも、まず扱う楽器の数がとても多い。

マリンバ(木琴)、ビブラホン(鉄琴)、スネアドラムにタムがいくつも並ぶ打楽器セット。ビブラスラップ(「与作」の「ヘイヘイホ」の後に「ガ~ッ」と鳴る楽器)をはじめパーカッション類が多数。

 

タムタムの一群。小さいのから大きいのまで数多く並ぶ。

 

搬入もセッティングにも時間がかかるので、お手伝いの方も来られる。

お手伝いと言っても、楽器のことがわかってないと出来ないので、その方も打楽器奏者。

みんな、楽器の準備の大変さと大切さをわかっておられるので、コンサートの時は持ちつ持たれつ助け合うのが日常のよう。

出演された演奏会の翌週に「今週は、お手伝いとして来ました。」と、演奏者の方に会うことも幾度となくある。

打楽器奏者の方は、そんな関係性もあってか、皆さんとても仲がいい。

登場した救世主、光る監督采配

一通り、カメラをセッティングしていると、収録の応援にと‥

中村さんと久保さんの恩師がかけつけて下さった。恩師の名は、宮本妥子さん。

打楽器アンサンブル湖鼓(ここ)のプロデュースを手掛けているのも、宮本さんだ。

リハーサル中には、各楽器の音量バランスや「ここは、もう少しゆっくりめで演奏したほうが、感情が伝わってくると思う。」等のアドバイスをされていた。

 

リハーサル中のCOCO・湖鼓・DUOとチェック中の宮本さん。
この後、思いもよらぬ展開に♪

 

リハーサルと並行して行っていた機材のセッティングとチェックも終わり、スイッチングのタイミングについて打ち合わせを始める。

カメラは4台。
撮影した映像をどうスイッチングするか‥これが鍵となる。

隊長:できれば『どのカメラアングルを使うか?』『どのタイミングで切り替えるか?』を、事前に決めておくといいかもしれません。

譜面に印をつけていただき、それに従ってカメラを切り替えると、録画もスムーズにいくと思いますが…ただ、楽譜を追っていると、スイッチングのタイミングを見失うことが心配です。

どなたか良くわかっている方に、横についていただけると、有難いんですが…

なんて言っていると、そういえば適任者がいるのではないか?という考えが浮かんできた。

「そんな方、いらっしゃいませんよね~?」と、宮本さんを見てみる。

「え~、私!?私が?!え~!?」と返ってきたが、ここは押しどころ。

隊長
「大丈夫♪出来ます出来ます。じゃぁ、スイッチャーの使い方を説明します。」

宮本さん
「え~。で、どれをどうしたらいいの?」

と、あれよあれよという間に、宮本監督の誕生。

全曲わかっていて、聴きどころも魅せどころも知っている宮本さん以上に適任はいません。作戦成功したところで‥撮影がスタートした。

最初は「自分で演奏する方が、まだ緊張しないわ~。」とおっしゃっていたが、一曲目の収録が終わり、録画映像を確認する頃には「いや~、ええやん!」とだいぶ慣れてこられた様子。

二曲目からは「う~ん。ここは、もう少し楽器に寄った方がいいかな?ここは上半身だけ、狙いましょう。」等々、監督の突き詰めたい欲が発動し始めた。

 

「ここで、カメラを切り替えるのね。了解~♪」
と切り替え箇所をチェック

 

最後の曲を録画する頃には…

「この曲は、後ろからのアングルが欲しいかな~。カメラ位置、変更してもらえます?」と、演奏者目線のカメラアングルの指示も出た。

宮本監督の采配の元、収録は無事終了♪

録画配信コンサート公開へ!

収録後は、隊長のターン。映像にレコーディングした音源を合わせる編集作業を進める。

収録の休憩中に「私、このチラシけっこう気に入っているのよね。」という中村さんの一言を聞き逃さなかった隊長は、動画のタイトル画像にもチラシのエッセンスを注入。

チラシはリス担当だったので、デザインの素材はバッチリそろっている。

編集も終了して、動画データのお渡しも完了。

収録から約一週間で無事公開にこぎつけ、現在、配信チケット販売中です。

パーカッションアンサンブルのコンサート。マリンバ&ビブラホン&パーカッションの共演♪

お客様の前での演奏が叶わなかったことはとても残念ですが、“今”だからできた記録となりました。

繊細なマリンバのピアニッシモの音から、大きい迫力満点のフォルティシモのパーカッションの音まで、是非体感ください♪

ご自宅TVやスマートホン、タブレット等々、いつもより少し大きめの音量でどうぞ。

 

中村めぐみさん・久保菜々恵さん
最後に、キャスト&スタッフ勢ぞろい♪

 


 

<京都新聞にも掲載♪>

収録日、新聞の取材も入っていた。

翌日に発行された紙面には、コンサートを動画配信に急遽変更した中村さんと久保さんの思いが綴られている。

 

掲載された京都新聞(クリックで拡大します)

 


 

<Pick Up!!>

録画配信コンサートは以下のURLからチケット購入できます。

10月16日23:59まで、チケットの購入可。
配信期間中(10月18日17時59分まで)は、何度でも閲覧可です。

座席からでは見られないアングルもお楽しみいただけますので、ぜひ♪

 


【Yahooパスマーケット】
【録画配信コンサート】中村めぐみ・久保菜々恵
打楽器デュオコンサート COCO-湖鼓-DUO

 

ABOUT ME
Taicho and Risu
15歳差凸凹夫婦が、今気になる様々なモノやコトについて綴ります。毎週1回更新!各種SNS&LINEで、更新情報をお知らせします。フォローミープリーズ♪
RELATED POST