コンサートの録音を担当することが、一年に何度もある。
運営のお手伝いをしているコンサートホールでは、ホールを借りていただいた方へのサービスとして、コンサートの記録録音を行っている。
※ホールの天井から吊っているマイクで記録録音します。
その他、演奏家の方の依頼で、コンサート収録に出かけることも最近は増えた。
音の入り口、マイクいろいろ。
コンサートを録音する際、必要なものと言えば、レコーダーと呼ばれる録音機。
音響卓、スピーカーやヘッドホン等、録音した音を確認する為の機材。
そして大切なのは、音の入り口となるマイクだ。
さて、このマイク。
音を拾う範囲(指向性と呼ぶ)や、何の楽器を録音するか?等を考慮、その特性に合ったマイクを選ぶことが大切。
「ヴァイオリン用です。」「ピアノの中に設置。」というふうに、その楽器用に設計されたマイクもある。
また、値段もピンキリ。一本数十万円のものから、数千円のものまで。
高価なマイクは、やはり値段分の音がする。
私が思う値段分の良い音とは「目の前で、その楽器が鳴っているかのように聴こえる。」という感覚。
例えるならば‥
「生の素材、そのものの味がする。」「味付けされていない音。」というと伝わるだろうか?
※A5ランク・・・的な。肉は食べへんので、知らんけど・・・
そして安いものは、安い音がするか?といえば、一概にそうでないのが悩ましいところ。
「値段の割に音が良い。」マイクも、たくさんあるが・・・私は、マイクの値段に正比例して、良い音がすると思う。
マイクをお借りします。
コンサートの収録には、何本かのマイクを使う。
「何本か」と言うのは、収録する音楽、楽器構成、演奏者の人数など、様々な要因によって変わってくる。
演奏される各楽器に一本づつマイクを用意することもあるし、いくつかの楽器に一本のマイクを配置する。
また、ドラムには、何本もマイクを立てて収録することもあるし、オーケストラでは、十数本以上使用ということもあった。
マイクの本数が多ければ多いほどいいということでもなく、2本のマイクで録音したCDも多い。
また、マイクを何本使用できるか?ということについては、収録予算によるところが大きい。収録の目的・予算に応じて、マイクをチョイスするのだが、これがまた楽しい。
コンサートを行う場所によっては、会館やホールがマイクを貸してくれる(有料)ところもある。
兵庫芸術文化センターは、種類も本数も豊富。
※機材リストに記載されたマイクの数々。公共施設なので料金もGood。
もちろん、館内使用が原則です。
収録でお邪魔した時に、センターの音響スタッフさんと、「KFM-6Uというマイク、最近、出番が少ないんですよね。もう少し借りていただけると、マイクも喜ぶと思うんですけどね。」なんていう話も出たくらいだ。
買うよりもずっと手頃な値段で良質なマイクを使用できるのは、エンジニアとしても助かっている。
それでも‥マイクが足らない場合
収録用マイクは、会館、ホールからお借りするか、持ち込むことが多いが、それでも足りない場合にはマイクのレンタルサービス(有料)を活用。
うちのような弱小企業は、マイクをたくさん持つことは難しいので、音響会社やレコーディングスタジオ等、マイクをたくさん持っているところからお借りする。
※お借りします~♪
大手の音響会社や、レコーディングスタジオは、所有しているマイクの種類も本数も豊富だ。
「マイク レンタル」で、ネット検索すれば様々なサービスを発見できる。
何十万もするマイクでも、一日、1万数千円~なんて値段で、借りることが出来るのだ。収録だけでなく、ちょっとお試しも可能。
レンタルは、広く一般に貸し出しているところもあるし、一見さんお断りのところもある。
銀行さながら?高級なマイクを借りるにも、まずは信用を作ってからなのだ。
うちのスタジオも、少しづつだが新しいマイクを入手している。しかし高級なモノには、なかなか手が出ず。
何度か、レンタルサービスを活用させてもらってはいるものの、やはり自分で気に入ったマイクは所有したいもの。
今年は、大きい靴下を用意しておくので、サンタさんどうぞよろしくお願いいたします。
ちなみに我が家では、「もし火事になったら、持って逃げるのはマイク。」が合言葉です。
※このケースを持って、逃げろ~♪
〈 Pick up ★〉
こちらも同じく、マイク取り付けバーです。■ United Studio Technologies / Twin87
Twin87。ヴィンテージモードとモダンモードを切り替えられるモデル、
ボーカルだけでなく、幅広い楽器のレコーディングに対応でき、エンジニアの間で人気を獲得中。