「ぎょぎょー!」が口癖で、カラフルなお魚帽子をかぶっている“さかなクン”。
昔からさかなクンは知っていたけれど、最近、深い魅力に気づいてしまった。
きっかけはYouTube
私が好きなアーティスト「サカナクション」のボーカル山口一郎氏は、大の釣り好き。
サカナクションという名前は、魚とアクションからの造語だ。
その山口氏のSNSでの投稿で、仲良しの「さかなクンと釣りにいく」YouTubeがアップされたと知り、これは面白そう!と見始めた。
釣りの行き先は、東京湾。
スズキを釣って、それを山口氏の自宅でサカナくんが捌いて食べるという企画だった。
2人の楽しいやりとりを見たことがきっかけで、さかなクンチャンネルがあると知る。
どんなチャンネルなのかな?と思い‥「もはや水族館!?さかなクンが飼う“お魚”って…」という動画を見てみた。
その動画では、フィッシュハウスとよばれるお家のさかなクン水槽が紹介されている。
もう小さな水族館さながらの室内‥お魚の元気がなかったり傷ついてしまっている時は、薬を混ぜて薬湯のようにし療養させていた。
水槽にさかなクンが近づくと、お魚が寄ってきたり(懐いている)、ご飯を上げる様子が見られたり、今後のさかなクンの夢について語られている。
他の動画も見てみたけれど、お魚への愛情が満載。
その様子がなんだか楽しくて平和で、何かを好きというパワーの強さを知った気がした。
ちょっと興味が出たら、もっと知りたくなるのがリス流。一冊の本を買ってみた。
それが「一魚一会」(いちぎょいちえ)
一魚一会@さかなクン
本では、幼少期から「さかなクン」と呼ばれるまでの経緯が描かれている。
子供の頃は、はたらくくるまの影響でトラックが大好きになり、次に妖怪を好きになり、いつも絵を書いている子。
ある時、友達がノートに書いた「タコ」をきっかけにお魚への興味が湧いていく。
「タコ」に興味津々の少年。想像しただけでも面白い。
生きたタコが見たい!と思っていた時、友達のおじいちゃんがタコ釣り名人だからと海へ連れて行ってもらえることになる。
そこで出会った、衝撃の光景。
釣り上げたタコは、すぐさま内臓をとられ、岩にビシビシとたたきつけられる。
これは、美味しくいただくための方法らしいが…
さかな君にとっては、やっと出会えたタコが目の前で痛めつけられ、いたたまれなくなり‥号泣。
さかなクンのタコへの憧れと期待を読んでから、このシーンを読むと…想像しただけでも、なんと切ないことか。
そんな命と食にまつわるエピソードが他にも紹介されている。
また、中学で吹奏楽部(水槽学部)に勘違いして入部した話や、部員のみんなとカブトガニの飼育に励んだり、ヤンキーと釣りをとおして仲良くなる話も面白い。
そんなお魚大好きさかなクンは、高校生時代にTVチャンピオンに出演し5連覇する。
そして2006年東京海洋大学名誉博士、東京海洋大学客員准教授になり、お魚の魅力を伝え続けている。
どんな時も好きな気持ちにまっすぐであることで、色々な局面をのりこえていくさかなクンの半生が、本には綴られていた。
裏表紙に幼少期のさかなクン
「好き」は周りに伝播する
順風満帆に見えるさかなクンだけど、勉強は苦手だったらしい。
進路にも悩み、数々のアルバイトをしては失敗して怒られたエピソードも綴られている。
最終的には、バイト先であったお寿司屋さんの外壁に、大将の粋な計らいでサカナの絵を描くことを任され‥それが好転するきっかけとなる。
好きなコトに打ち込んでいる人を見ると、みな共通しているのは、とても楽しそうで、イキイキしているということ。
その姿を見ていると、不思議なもので、こっちまで楽しくなってくる。何か力になれないかなという気持ちになって、どんどん仲間や協力者が増えていく。
「好き」に叶うものはない。
ただ純粋に「好き」で何かに向き合っている姿は、周りの人に伝播し、人々を巻き込むパワーとある。
『一魚一会』の中でも、周りの人達の協力や応援、巡り巡るご縁がつなぐエピソードが読んでいて楽しい。
さかなクンの場合、幼少期からお魚に夢中のさかなクンを否定せず見守り続けたお母さまの存在が大きいと思うけれど、大人になれば環境はある程度、自分で作ることができる。
未来なんて誰にもわからないんだから、好きなコト&やりたいコトに向き合い続けよう!そんな風にあらためて感じさせてくれる一冊です。
ちなみに、さかなクンの帽子は、ハコフグちゃんでぎょざいます。
<Pick up ★>
以前、氷結のCMで‥
東京スカパラダイスオーケストラに、真っ黒なさかなクンがサックスで参加した時の衝撃たるや!?!!
水槽学部ならぬ、吹奏楽部がここに繋がっていた‥かっこいいじゃないか~★
当店のフクロウLIBRARYで、近日貸し出し開始予定です。
自伝的でさらっと読みやすいので、ぜひどうぞ。