自宅スタジオ構築バイブル / 赤川新一
自宅新築における活用度★☆☆
DIYでも出来るアイデア度★★☆
スタジオ改装ノウハウ満載度★★★
宅録家必見!!
自宅スタジオでも良い“音”は可能です!
自宅環境でも、良い音で録音やミックスをすることは可能です。でも、そのためには知っておくべきことがあるのです。本書では、そんな“自宅スタジオ構築”のためのノウハウを解説。一から自宅にスタジオ環境を構築したい人から、現在の自宅スタジオをグレードアップしたい人、さらには新築時にスタジオを併設したい人まで、レベルに応じた知識が得られるはずです。本書を読んで、ぜひ良い“音環境”を手に入れてください。
(書籍帯 解説より)
書籍名の通り、まさに構築のバイブル。
スタジオアントラップの建物、もとは、陶芸の工房だった。
工房を改築するにあたり、この「自宅スタジオ構築バイブル」を参考にした箇所は数知れず。
改築をお願いした建築家さんにも、一冊購入してお渡しして、設計の参考にしてもらった。
改築中のスタジオ
書籍の発刊は2004年。
今から十数年前なので掲載されている音響機材は一部古い情報ではあるが、小規模スタジオ・自宅スタジオを構築するには、実践的なアイデアやノウハウも多く、解説もわかりやすい。
音響機材の話から始まって、スタジオの調整方法、電源、建材、工法、専門家との対談、スピーカーの試聴に、ケーブル自作ガイド等々、音響~建築分野に至る様々な要素が詰まっている一冊だ。
ノウハウは即活用
スタジオアントラップの構想段階では、本に書かれているノウハウは積極的に取り入れた。
例えば…
録音スタジオ・リハーサルスタジオでは、出入り口に分厚い鉄製の扉が使われていることが多い。
防音を考えてのドアだが、一枚何十万円にもなる代物。
著者の赤川氏も、自身のスタジオ構築時、鉄製防音ドアの価格をきいて「防音ドアの採用は止めます。」となったとのこと。
そのかわりに、ドアは木製に変更して二重にした、とあった。
スタジオアントラップでも、このアイデアをそのまま採用。本に書かれていた木材を探してもらった。
結果、予算は抑えつつも、音質的にも満足するものとなった。
ドアは二重。
木材は、バーチ材を使用。
病院等で使用されているコンセントがある。ホスピタルグレードといわれるものだ。
コンセント自体の作りがしっかりしていて、差し込みプラグが抜けにくくなっている。
音質的にはホスピタルグレードよりも上とされているオーディオグレードというものもあるのだが、価格も何倍か上。
本には、ホスピタルグレードで十分とあったので、こちらも真似して推奨メーカーのものをそのまま採用した。
確かに、しっかりとプラグもさすことが出来て、抜け落ちトラブルも皆無。
※ナショナルのホスピタルグレードコンセント。
一つ千円ちょっと。
対談中の発言「山の中に行くとか(笑)。」
本の中で、著者の赤川氏が建築家の方と「スタジオ建設」に関して、構造、素材、工法について話し合われているシーンがある。
その中で、音量について‥木造建築では「音量を出さないか、山の中に行くとか(笑)」という一文がある。
これもある意味、真似したようなもの
確かに、音量を出すには、スタジオアントラップは最適な立地。
山奥で、お隣さん宅まで100mは離れているため、近所迷惑を考えて小さい音量しか出せないなんてことは無い。
かといって、山の中の自宅スタジオだけでなく、住宅地の自宅スタジオや、音の環境づくりにおいても活用できるノウハウは満載。
スタジオの構築や自宅の録音部屋リフォームなどを考えておられる方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、どんな風にスタジオって作られてるの?と興味がある方にも、おススメです♪
<Pick Up!!>
著者、赤川新一氏(2018年 逝去)が制作にかかわられたCDは数知れず。
日本の録音業界を牽引されてきたお一人。
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