道路のミニ鳥居
京都東のインターを入り、大阪方面へ向かう道路沿いにミニ鳥居がある。
数年前?カーブ沿いの草が茂るエリアに突如現れた。
なんでこんなところに鳥居?と思っていたら、ある時、テレビで「ポイ捨て防止で鳥居を設置した事例」を見かける。
ポイ捨てが多いエリアに鳥居を立てると「ここに捨てたら、バチが当たるんじゃないか…?」という心理から、ポイ捨てを抑制できると言う。
実際、宮城県の大川原町では、産業廃棄物業者がボランティアでミニ鳥居を設置したところ、タバコや空き缶などのポイ捨てが激減したらしい。
「 悪いことをしたら、バチが当たるよ! 」
子供の頃、誰しもが親や祖父母に言われた記憶。
そこから大人になるにつれ、天罰覿面や因果応報といった熟語の意味も重なり、知らぬ間にこの「バチが当たる」論が心に根付いている人も多いのかもしれない。
天罰覿面(てんばつてきめん)
悪事を働けば、すぐに天罰が現れること。
因果応報(いんがおうほう)
人はよい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ。
鳥居の存在によって、瞬時に頭をよぎる「バチが当たるかも」疑念。この心理作戦は、一種の信仰心への語りかけ、とも表現されていた。
なるほど〜と思う反面、ひとつ思ったことがある。
神様に断りせんで、ええの?
そう言われてみれば、鳥居のイメージを乱用している気もしてきた。
そもそも、鳥居とは…
神社などにおいて神域と人間が住む俗界を区画するものであり、神域への入口を示すもの。一種の「門」である。
うーむ。確かに、本来の使われ方ではない。
神事に携わる方々は、どう感じられるのだろう。
また神様は、この鳥居の扱いを大きな御心で受け止めてくださるのだろうか。
効果あるのはリアルタイム配信?
もともと、ミニ鳥居が建てられる前は「監視カメラあります」という看板をたてたらしい。でも、あまり効果はなかったとか。
「監視カメラなんてどうせないんでしょ。」「撮られていたとしても、ポイ捨てで捕まるようなことはないでしょ。」と思うのかもしれない。
また、あるところでは、ミニ鳥居を設置しても効果がなかったという残念な結果もある様子。
ミニ鳥居のポイ捨て防止成功例が世に発信されるにつれ、思惑の部分が表にでてしまい、効果半減というのも悩ましい。
そうなると、どうしたらポイ捨てを抑制できるのか考えてみた。
このご時世、SNS と共にはびこる炎上体質を利用して、定点カメラの映像ををライブ配信というのはどうだろう。
ライブ配信されている=常に誰かに見られているため、抑止効果があるかも‥
となったもののの、普通に通行している方々のプライバシー問題もあって、実現は難しそう。
ちなみに「車からのポイ捨て」は、道路交通法の違反。罰則は5万円以下の罰金刑。
ポイ捨て犯を顔認証して、口座から罰金を自動引き落とし!のようなテクノロジーの進化を待つのが良いのかもしれない。
そんなハイテクポイ捨て防止システムが開発されるかどうかは、神のみぞ知るのである。