とある場所にて。
私より年齢は上だと思われるオジサマが近づいてきて、「ちょっと、お聞きしますが・・・そこで、何をやっておられるんでしょうか?」と尋ねられた。
※職務質問されたわけではございません。
「えっと。。」思いもかけないタイミングでのお尋ねに少々あたふたとする私。
ちなみに、不審者に間違われたというコトではございません。
音響現場での疑問
オジサマに、「そこで、何をやっておられるのでしょうか?」と尋ねられたのは、音響のオペレート(音響卓の操作)をしていたコンサート会場でのお話。
コンサート中、私が音響卓の操作をしているのを見て、「コンサートのあいだ中、この人は一体、何をやっているんだろう?」と不思議に思われたようだった。
「そうですね。何をやっているかと簡単に申しますと、音量のバランスをとっているとでもいいましょうか。
演奏されている楽器と、その音より小さい人間の声が、程よいバランスの音量で聴こえるように調整してます。もう少し言いますと、その音に残響をつけたりと、音のコントロールをしているというところでしょうか。」
「あぁ、なるほど。音をコントロールする為に、その機械のつまみを、ずっと触っておられるんですね。」
※音響卓に並ぶツマミ達
オジサマは、音響卓を見つめながら‥なんとなくだが、疑問は少し解消された様子。にこやかに会場を後にされた。
コントロールしております。
簡単に掻い摘んで説明したのだが‥
厳密に言うと「音量のバランスをとる。残響をつける等の音のコントロールをしている。」だけではない。
同じ会場であっても、コンサートが始まる前と終わる時では、音の感じが変わっていることも少なくない。
音は物体が振動して発生する。
物体が振動すると、その振動が空気を振動させ、それが次々と伝わっていき、耳に届くことで聞こえる。
これは、中学の理科で学習した音の正体。
また、音は空気により伝達するので、温度、湿度、吸収するもの、反射するもの等、いろんな条件で変化する。
夏場のコンサートでは、空調の効き方で音の聴こえが変化するなんてこともあるし、冬場では、お客様の服装も聴こえ方に変化をもたらす。
コートやセーターなど比較的厚着のため、音を良く吸収するのだ。
※冬場はモコモコ率高し
モコモコしたコートの着用率が高いと、高音がだいぶ吸われ、音もモコモコする傾向に。
聞きやすい音とは、低音・中音・高音がバランスがいい状態。高音が少ない場合、聞き取りづらくすっきりしていない音になってしまう。これをモコモコした音と表現している。
そんな時は、少し低音を少なめにして、モコモコからスッキリになるよう音質をコントロールするのだ。
また、その上に空調の効き具合によって、さらに音質が変化することも少なくない。
というわけで、私はコンサートのあいだ中、スッキリと聞きやすい音を保てるように、音響卓についている様々なツマミをいじって微調整をくり返している。
短時間で説明するには、なかなかムズカシイ
公演終了後、音響卓の前に立ち止まって、機器をマジマジと眺められておられる方をたまにお見かけする。
特にお年を召した男性の方が多く、お話を聞くと、オーディオ機器に興味がある方がほとんどだ。
また、近寄りがたい職人気質のオーラがない私だからか、話しかけやすい雰囲気を醸しているようで、声をかけられ立ち話に発展する。
※会場内に陣取って、音響卓を操作する隊長
また、音響卓の操作をしている最中に、前に座った方がコンサート中に振り向かれて「上手ね。」とおっしゃったことも。
「えっと・・・演奏が上手?それとも音響オペレートが上手?どちらでしょうか?」という心の声はおいといて、「あ、あ、ありがとうございます。」とだけ返答。
少々不意をつかれた感じで、「あれ?何をしようとしていたのだろうか?」となってしまったことは過去の話。
いい音を届けるという任務の本番中、不意をつかれると驚きますので、音響卓操作中のオペレーターへの話しかけは、ご遠慮いただけましたら幸いでございます。
いつもありがとうございます♪ 11月の発表会は上の方ですから、誰も尋ねては来られませんね。 よろしくお願いいたします。
コメントいつもありがとうございます。11月もよろしくお願いいたします。
音響さんの時には、会場内にいることが多いので、たま~にお声がけ?いただいております。
ホールの調整室にいる時も、控室と間違えてノックされる方もいらっしゃったりしますね♪ 極々稀ですが。。