会話のゴールも、力みもない “雑談のおもしろさ” が詰まった対談集。
ふたりきりで話そう / 星野源
会話の自由な流れ度 ★★☆
かっこつけていない度 ★★★
雑談のおもしろさ度 ★★★
● リスの視点
私は、雑談が好き。
雑談は、言ってしまえば、何でもない会話。
誰かにとっては、どうでもいいような話でも、ほんの些細な話題で楽しく笑えたり、閃きや発見につながったり。また、そういう話って記憶に残っていたりもする。
この星野源さんの「ふたりきりで話そう」は、まさに、とりとめのない話のおもしろさが満載。
対談集と言えば、何かテーマがあったり、取材記事であれば、インタビュアーの質問が大きく流れを作る。
時に、そんな質問しなくても‥という問いも往々にしてあるし、番宣や広報さながらの無理な会話の流れも理解はできるけれど、読み物としての楽しさは半減する中、この対談集は全く別物。
星野源さん×対談相手との楽しい雑談を、そっと横で見させてもらっているような感覚の対談集だ。
本のタイトルどおり、関係者もカメラマンもライターも誰もいない部屋で2人きりで話をして、写真もインスタントカメラで撮りあったり、自撮り棒で撮影するという設定。
裏表紙には、写真がいっぱい。
「ふたりきりで話そう」というコンセプトが、力んでなくて面白そう!と興味が湧いて購入。ちょっと読もうと思ったら最後、一気に読みすすめてしまった。
どちらかがガツガツ話を進めるわけでもなく、“雑談らしく”話題が流れていく。読みながら、面白くて顔がほころぶ回もあれば、なるほどーと感心する回もあったり、相手によって自由に楽しく展開していくトーク。
どの対談も普通の暮らしが垣間見える会話ながら、第一線で活躍する方々の視点や感覚が散りばめられていて、とてもおもしろかった。
私は、デザイナー:吉田ユニさん、女優:石田ゆり子さん、お笑い芸人:渡辺直美さんとの対談が特に好き。
雑談って、ただ言葉を交わすだけなようで、誰とでも楽しくできるわけじゃないところがムズカシイ。
距離感、フィーリング、興味。
これらが合う相手との会話は、特に面白いような気がする。
私も「ふっと楽しい雑談ができる」関係を築ける人とたくさん繋がりたい。そんな風に思った一冊。
内容紹介
2017年4月から2018年3月まで、週刊誌AERAに掲載した星野源さんの対談連載「ふたりきりで話そう」を一冊にまとめたAERAMOOK「星野源ふたりきりで話そう」は、星野さんが11人のゲストと繰り広げた密室での「雑談」を、連載ではカットした部分も含めノーカットで再現した完全版。
私服でふらっとやってきて、お茶を飲みながらボソボソとしゃべり、ゲラゲラ笑って帰っていく。
そんな対談の形は、星野さんの「対談の取材だっていう気持ちになると、仕事のスイッチがひとつ入っちゃう。スタッフもだれもいなくて、本当にふたりきりでゲストの方と話してみたい」という思いから生まれたものです。
そこに添えたのは、星野さんとゲストが撮り合ったインスタント写真。ふざけあったりじゃれあったり、“素”の関係性が写っています。クリエイター、ミュージシャン、芸人、俳優などジャンルを超えたゲストと、ときに真剣に創作について語り、ときにフザけたトークで盛り上がる。スタッフがいない部屋で、ICレコーダーだけが聞いていたふたりの「雑談」を、連載時はカットしていた部分も含めてできる限りそのまま再現しました。星野さんとゲストの「ここだけの話」たちを、ぜひお楽しみください。
【ご登場いただいたゲストのみなさん】
MIKIKO/日村勇紀/香取慎吾/石田ゆり子/友近/山岸聖太/渡辺直美/吉田ユニ/坂口健太郎/三浦大知/中村七之助 (敬称略、掲載順)
〈 Amazon内容紹介より抜粋 〉