すこしマジメな話

コンサートホールの温度・クラシックは寒い?

コンサートで「寒かった」「暑かった」と感じたことはないだろうか。

スタッフとしては、演奏に集中できる環境をご提供したい。

でも「寒いのでなんとかして!」と言われた経験が何度もある。その度、なんとも申し訳ない気持ちになり、ジレンマを抱える。

寒い原因は、大きく2つ。「設備の空調事情」か「意図的な温度操作」にある。

1・ホールの空調は一筋縄にはいかない

ホールによって、空調は様々。

大きなホールであれば、温度コントロールが一定に保たれているところもあるし、ビルに入っているホールならば、ビルが空調の管理をしている場合もある。

 

 

また、少し古い設備であれば、「空調をつけてください」とお願いしてから、30分後くらいしてようやく本起動というタイムラグが発生するパターンもある。

空間が広いと、すぐに冷えない(温まらない)ことが多いため「終演する頃に、やっと涼しくなってきた。」と、過去に残念な経験もあった。

また、空調をつけると音がする場合は「リハーサルが終わってから開場時間まで、ガンガンに空調をかけてもらって、本番は切る。休憩だけまたONにする。」など、対策を行っている。

反対に、小さなホールであれば、壁のコントロールパネルで温度調整ができる場合も多い。

だがその場合、一度温度が下がると冷えすぎたりして‥早く効く分、調節が難しい。

また、ステージ部分と客席部分で空調が分かれているかどうか。これが、温度調整に大きな影響をおよぼす。

分けられている場合は、ステージは演奏者の意向をお伺いし、客席はお客様が快適に過ごせる温度に設定ができる。

 

 

でも、ステージと客席の空調が同じ場合。

温度や湿度のコントロールが難しい時期(梅雨や季節の変わり目)などは、非常に難しい状況となる。

お客様「ちょっと、寒いんですけど、温度を上げてもらえませんか?」
演奏者「ステージが、少し暑いんだけど、なんとかならないかな?」

正反対の意見‥

こんな事態は、よくある話。

最終的な判断は、そのコンサートにおいて温度管理の決定権をもっている人(ホール管理者・主催者・演奏家 等)が行い、指示に従うことになるのだが・・・

あちらが立てば、こちらが立たずの、難しい問題に直面することも多い。

2・演奏者/主催者からの温度指定

演奏家から、ホール内の温度が指定されている時がある。

特に、ヴァイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス・チェンバロといった弦楽器だ。

弦楽器に湿気と乾燥は大敵。湿度が高くても低くても、楽器に影響が及ぶ。

 

 

梅雨の時期と季節の変わり目は、温度と湿度の調節が難しい。

湿度が高いと‥「チューニングが狂いやすくなる」「指板がジトっとする」という事態がおきたり、ピアノでも「鍵盤が結露して、汗をかいてしまっている。」という声も聞く。

そうならないために、湿度コントロールがうまくできればいいのだが、空調によっては、湿度を下げる=設定温度を下げなければいけない、ことがある。

リハーサル時、楽器のコンディションを見て、温度指定が入り‥その結果、カラっとした空気になったけれど、ホール内の温度が「やばい…寒い‥」と感じる時がある。

温度決定の基準が、楽器コンディションに重きをおいている場合、しばしば発生する“極寒の客席”。

 

キリっとした空気が漂う空間

 

梅雨時期のほか、季節の変わり目にも、時々‥この“極寒の客席”が登場してしまうのだ。

スタッフのジレンマ

私達は、ホールの管理スタッフとして業務につくこともあれば、主催者さんに雇われてホールに入る時もある。

立場も役割も責任も、時と場合によって違うのだが…

お客様にとって黒服のホールスタッフは、全て同じであり、一番身近な存在。

当然「寒い!」「暑い!!」のお声があった時にお伺いするのはホールスタッフの仕事だ。

もちろん、そうならないように…

その日の天気や気温に応じて、開場時、本番中、休憩中と客席内の温度を体感したり、逐一お客様の仕草を観察してシグナルをキャッチし、温度管理に努めている。

 

温度が気にならない状態が理想

 

だが、主催者/演奏家の意向で、温度指定の指示が出ていると、どうしようもない。

いちスタッフの私には、ただ「申し訳ございません。」と謝ることしかできない。

温度を決める決定権を持っている人と、お客様の間で挟まれつつ‥

心の中では「確かに寒い!ごもっともだ!」と思うも、勝手に温度を上げるわけにもいかず‥もやもやを抱えることになる。

 

寒いってツライ…

 

そもそも、聴く環境ってとても大事。

貧乏ゆすりする人がいたり、ナイロン袋がガサガサ音をたてたりするのも気になるし、寒いとか暑いなんて感じていると、聴くことに集中できない。

もう「寒い!」しか感じられず、楽しめないような状況だったら、楽器や演奏のために温度をキープするこの論理は正しいのか?と考えをめぐらす。

通常ならば、客席内の寒さ対策として、ブランケットの貸し出しを行っているが、現在はコロナ禍。

残念なことに、感染予防対策として、貸し出しを一旦中止しているホールがほとんどで、せめてものブランケットをもお渡しすることが叶わない。

 

 

いい演奏を聴いてもらいたい!と‥運営側の想いが先行する中、せめて「チケット購入時にホール内の温度についてご案内する」など配慮ができないだろうか、と度々発言してきたが、反映されることは少ない。

決定権もなく、ただお客様の声を一番近くで聞いている私達から言えるのは‥

ホール内の温度は、そんな理由で寒いかもしれないということ。

だから、ちょっと羽織るモノ、コンパクトなブランケットなど、温度調節ができるものをそっとバッグに忍ばせておくのがオススメ。

先日立ち会ったコンサート。
ちょっと寒くてお叱りを受けそう‥と覚悟していたが、お声をかけられることなく終了。

ホッとしつつも、なんでかなと思っていたら…どうもマスクが影響しているようだった。

マスクの保温と加湿効果は、冬の乾燥するホール内において、お客様の環境を少し良くしてくれるかもしれない。

 


 

<Pick Up!!>

冬に向けて、冷え対策は大事。
足元と喉を温めると、寒さ和らぎます♪

 

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Taicho and Risu
15歳差凸凹夫婦が、今気になる様々なモノやコトについて綴ります。毎週1回更新!各種SNS&LINEで、更新情報をお知らせします。フォローミープリーズ♪
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