先日、仕事の途中、急に空き時間がぽっかりできたので、気分転換に京都市内までお出かけ。
市内まで行ったついでに「あのお店、まだやってるのかな~?」とふらり北野白梅町へ向かった。
北野白梅町界隈の住人でした
今から約三十年ほど前。
京福電気鉄道、通称「嵐電(北野線)」の北野白梅町駅の近くに下宿していた。北野天満宮~白梅町の周辺が生活圏。
その当時から比べると、街の風景もがらりと変化。
よく行ったレコード店は無くなったけど、おしゃれなお店は随分と増え、観光客が倍増している。
そんな北野白梅町で、学生時代の私の食を支えてくれた店がある。
それが「山田フライ専門店」だ。
思い出の店「山田フライ専門店」
下宿先から徒歩二分、ちょっと早足なら一分もかからずに行けた店。
一条通商店街の一角にある、山田フライ専門店。
「コロッケと白身魚フライ、くださいな~。」と注文すると、その場で揚げてもらえる。
出来上がりのアツアツをお持ち帰り。なんせ、早足一分圏内なので、ちょっと離れた台所にフライヤーがある状態。
食欲旺盛な学生には、大変ありがたい店だった。
今回、三十年ぶりに訪れたのだが、ひっきりなしに、自転車&徒歩の地元の方がやってくる。地元民、御用達は変わらないようだ。
記憶が定かでは無いが、ちょっと店舗の作りが変わったような気も。
地元の方だけでなく、観光客らしき人も、ちらほら。お店の駐車場に停めた車で、コロッケをほおばる方も見かけた。(※お店の前に、駐車場(一台分)あり。)
少し暗くなってきた中、店内から聞こえる話し声とお店の明かりが、なんとも和やかな光景に見える。
『ほぼ日・コロッケ地図』で採用
一度、二十年ほど前にも店を訪れたことがある。
そのきっかけになったのが「ほぼ日刊イトイ新聞・コロッケ地図」への投稿。
「ナイスなコロッケ日本地図を作ろう!と始まった企画」に、山田フライ専門店を推薦投稿したら・・・採用されたのだ。
2000年11月4日の記事「古都のコロッケ」に掲載された。
山田フライ専門店 その他
京都府京都市上京区一条通り御前西入上ル大上の町65
「その場でオーダーを聞いてから揚げます。」京都市白梅町付近の、ご家庭揚げ物を一手に引き受けてます。
30円のえび春巻から530円のビフカツ大まで、メニューは70種以上。ビーフコロッケ50円。当然手作りです。
ブビリオさん御推薦。
ブビリオとは、当時の私のペンネーム。
あっ、コロッケ頼むの忘れた・・・
この日。私達は‥
・うずらフライ串
・ちくわの磯部フライ
・ホタテフライ
・モンゴイカ串
・メンチカツ
以上、5品を注文した。
揚げてもらっている最中に、店主と少しお話。
店の歴史を聞くと、かれこれ六十年近く営まれて、今では三代目店主。それも、家族伝承で無いそうな。
30年前この辺りに住んでいたことを話すと、たまたまその場にいたお客様も「私も当時からずっと来ているのよー」と話に花が咲く。
そんなこんな楽しく話していると、出来上がり。
「味は変わっていないと思いますよ。」と笑顔の店主が揚げたてを渡してくれた。
帰路の車内でリスが「あ~、ミンチカツに気を取られて‥コロッケ頼むの忘れてた。」と残念がるが後の祭り。
帰ってきて、開けると‥紙袋が新聞紙でくるまれていた。なんとも味がある。
袋越しのいい匂い
お皿に盛り付ける。
美味しそう~といいながら、リスが‥
うん?あれれ?!
よーく見ると、フライが6品。
リスは「あれ~他に何か頼んだっけ?」と、切ってみると‥
コロッケだ!!?
これは店主の心意気?それとも、揚げている時に話しかけたので、注文を間違ってしまわれたのか?
ともあれ、喜ぶリス。コロッケもミンチカツも、甘みが感じられて、とても美味と満足げ。
手頃な値段と家庭的で素朴な美味しさが、また食べたいと思わせてくれる。
近くまで行った際には、店主にコロッケのお礼をしつつ、また揚げてもらおう。
今日は思い出の味で晩ごはん。
こんなお店が近くにあったらいいのになぁ。「店主、いただきます~♪」
< Pick up ★ >
インターネットショップもあります。
店の前に駐車場が一台分ありますが、この辺りは一方通行が多く、道も細いので、お気を付けあそばせ。