声で演技するのはムズカシイ

名探偵コナン「ゲスト声優」を楽しんでます

 

先日まで、WOWOWで「名探偵コナン 紺青の拳（フィスト）」公開を記念し、これまでの劇場版・第1作～第21作までを一挙放送する「名探偵コナン特集」をしていた。

私達はあまりアニメを見ないが、リスは「名探偵コナン」好き。

映画は、ほぼ全作見ているものの、WOWOW特集によって、録画リストにはコナンがずらりと並び、我が家では、連日コナンの夜となっているのだ。

毎回、事件が起こる町では、犯人により建物の爆破、カーチェイスによる道路の倒壊等、破壊の限りが繰り返される。

「こんな危なっかしい町には住みたくない。」「コナン君の身体能力はいかに！？」という疑念はおいておくとして‥

映画では、毎回、ゲスト声優さんが登場。俳優さん、お笑い芸人、スポーツ選手までと幅広いキャスティングだ。

などなど、棒読みすぎてストーリーから気がそれる方や、声を聞いただけで明らかに顔が浮かんでくる方までいて、面白い。

中には、ゲスト声優だと気づかせないほど自然な方もいる。天海祐希さんがゲスト声優の時、リスは言われるまで気付いていなかった。さすが、元宝塚のトップスター。

声だけで演技するって、本当にムズカシイ。

収録の現場は面白い

スタジオを始める前は、ゲームや電子おもちゃを開発する会社のサウンドを作る部署にいた。

ゲーム・おもちゃに音楽を入れたり、効果音を当てはめる。キャラクターをしゃべらせるのに、録音したセリフを当てはめる。

たいがいは、開発のクライアントから録音されたテープやデータが支給されるのだが、たまに「収録に立ち会ってください。」ということもあった。

その場合多くは、アニメやTV番組の収録が行われている都内のレコーディングスタジオへ出張。

 

 

「あ！あの声の人だ！」「あれ？どっかで聞いたことがある声だ。」みたいな事もあるし「今週分の放送収録が伸びているので、スタジオ内で待っていてください。」と言われ、放送前に次回放映分の内容を知ってしまうということもあった。

私が行った収録現場では、音響監督さんがおられ、収録を取り仕切っておられることが多かった。

この“音響監督さん”。
セリフの収録時、声の演出を行う人で、声優に対し声の演技指導も行われる。例えば‥

「ハイ、ではそこをもうワンテイクいただきます。」の掛け声の後、収録されたセリフは、暗い中にも少しだけ明るさが漂うものになっていた。

一つのセリフの中に、いろいろな感情や表情を詰め込む。声優さんって凄い。

「手の空いている人、手伝って～」

収録現場にて「手の空いている人～、手伝って～」という場面に遭遇したことがある。

「何々？机か椅子かを移動するの？」なんて思っていたら、「手の空いている人で “ガヤの声” を収録」するということだった。

お笑いのバラエティ番組でも、ガヤという言葉を耳にする。

ここでいうガヤとは、喫茶店の周りの客の話声や、学校の運動場で聞こえる掛け声といった、そのシーンを色付ける要素となる、その他大勢の「がやがや」した声のこと。

「はい、は～い。」と収録ブースに、ぞろぞろと声優さんが入ってきた。

その他大勢の声である「ガヤ」。
若手の声優さんばかりが集まってやると思っていたら、ベテランの声優さんも「あ、俺もやろぉ～っと。」と収録ブースへ。

台本に書いてあるのは「遊園地内」という場所のみ。綿密な打ち合わせなど無しで収録がスタート。

ベテランの声優さんは父親役で、新人の声優さんは子供に扮し、近くでは、カップルが「何を食べようか？」と相談している。クレープを販売する店員さんは「ご一緒にドリンクはいかがですか？」とすすめている。

 

一瞬にして、遊園地にいるような気分

 

‥になったところで、ガヤ収録はワンテイクで終了。

これを違うパターンで、もうワンテイク繰り返して、2つのテイクを混ぜる。すると、たくさんの人が行き交う楽しいムードの遊園地が完成。

これぞ、会話の即興。
しかし、よく場面の設定だけで、それっぽい会話ができるものだと感心した。

このガヤ収録。ベテランも新人も楽しんでやっている感じだった。声優さんは、普段からきっと色んな場所で聞き耳を立て、会話のストックを増やしているに違いない。

声だけで感情を伝えるのは、思っている以上に難しい。

そんな収録現場の裏側を思い出しつつ「爆発されたビルや橋･･･復旧するのに何億かかるんだ？！」ということばかり考えて「名探偵コナン特集」を見ている私であった。

ところで、昨日見た話の犯人って、誰だったっけ？

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