冬とインフルエンザ
天気予報で「この冬、一番の寒気」がやってきたと聞いたのは、確か年始のこと。
今週は「この冬、最強寒気」だとか。1~2月「この冬シリーズ」は、バリエーションを変えてやってくるので、まだまだ油断ならない。
スタジオアントラップへ向かう山道は、日曜日の朝から白くなっている。
木々も雪化粧
冬のこの時期。
私たちの仕事柄か、特に目に入ってくるのが「出演者がインフルエンザになりコンサートが中止」というニュース。
年間、1千万人をこえる人がかかる病気。
日々、体調管理に気をつけているアーティストといえど、”絶対かからない”という保証もない。予防接種をしていてもかかってしまうのだから厄介だ。
そんなニュースを見て、いつも思うのは「中止になった時、それまでにかかった費用はどうなるのだろうか?」ということ。
保険は火災、自転車だけでなく、イベントも。
以前に、リスの友人が主催する野外イベントに実行委員会として参加した。(私達のイベント回顧録)
いろんな人の力を借り、運営しないと開催できない規模のイベント。
イベントの実行委員以外に、多くのボランティアさんにもご協力をいただいて、会場の設営や運営等を手伝ってもらった。その時、万が一のケガや事故に備えて、保険に加入した。
その保険は「ボランティア保険」と呼ばれるもの。いろいろな保険会社が、そういったサービスを行っている。
それとは別に、イベント自体に関する保険もある。
「イベント中止保険」「興行中止保険」「イベント賠償責任保険」と言われるものだ。
大勢の人が関わり、興業によっては大きなお金も動くイベント。万が一何かあったら…という備えがつきものとなる。
調べてみると、様々な保険が存在していると知った。
・大型台風での野外コンサートや花火大会の中止。
・出演者の怪我や、病気によるコンサートの中止。
・雪不足、吹雪・濃霧によるスキー大会の中止。などによりイベントが中止になった際の保険。
いろんな理由によりイベントが中止になった際、かかった費用を大なり小なり保証してくれるというもの。
出演者のインフルエンザによるコンサート中止も保証してもらえるようだ。
雪不足によるスキー大会の中止も保証してもらえるというのも、なんとも面白い。地球温暖化の波は、イベント中止保険にまで及んでいる。
また、「イベント賠償責任保険」というのは、
・強風で、仮設テントが倒れて来場者がケガをしてしまった。
・提供した食べ物で、来場者が食中毒になってしまった。などにより損害賠償をする際の保険。
補償額により違うが「イベント中止保険」も「イベント賠償責任保険」も、保険料は何十万~何百万以上と、かなり高額。
だが台風シーズンに開催される野外コンサートや、多くの来場者が見込まれるイベントなどでは、中止になった際の費用や、賠償のリスクを考えると相当な額となる。
たとえ保険料が高額であっても、規模が大きければ大きいほど入っておかないといけない保険なのかもしれない。
気合で乗り切るのは過去のハナシ
昭和の時代に耳にした「風邪による高熱でしたが・・・来ていただいているお客様に喜んでいただくために、気合で乗り切りました。」という話は、すでに過去のハナシ。
今は「出演者が発症したら直ぐに情報を公開。コンサート中止の発表する。」というのが世間の流れ。
インフルエンザにかかっていることがわかっているのにコンサートに出演していた、なんてことが判明したら、許されない時代だ。
台風による悪天候でのイベント中止と同じように、冬のこの時期、コンサートの主催者は、出演者のインフルエンザ発症による中止のリスクに備えるのも必要になってきているだろう。
2019年2月第3週。
インフルエンザの患者数も減少してきているらしいが、まだまだ100万人をこえる人が医療機関で受診しているそうな。
コンサート・イベントのスタッフとして働く身、この時期、インフルエンザに感染している場合ではない。
マメなうがい手洗いの他、お山を下山して都会へ行った時は、くしゃみや咳をする人からは少しだけ多めに距離をとるように心がけている。
とはいえ、予防接種をしていてもかかるインフルエンザ。
頼みは、自分の体力&免疫力だけ。
ということで、私は、みかんと豆腐&お揚げを食べて、ビタミンCとたんぱく質をせっせと補給している。
保険は、あくまで保険。
備えだけで終わることが最善なのです。
2020年2月・・・
新型コロナウィルスについては、オーダーメード設計の保険だと「感染症による中止」も補償対象になるケースもあるらしい。しかし、保険会社の保険金支払い審査のハードルは高いと聞く。