物心ついた時には、犬がいた。
マルチーズ、名前は「リーチ」。麻雀好きの父が命名。
この「リーチ」から、これまで7匹の犬と3匹のネコ。その他、うさぎに…帰り道に拾った手乗りインコ。
常に生き物と一緒に過ごしてきたこともあってか、私は動物や生き物がスキ。
犬のトリマー、動物園や水族館の飼育係、イルカショーのトレーナー、動物と接する仕事を考えたこともある。
最近、生きものとの関わり方について、考えを巡らせている。
犬遍歴
小学校に入る頃「リーチ」は、おばあちゃんの家へ。
次にやってきたのは、柴犬とチワワ2匹。
柴犬「テツ」は外飼い。
テツ。無駄吠えしない賢い子。
雪が降りそうだったある日。
つないでいたリードが外れていて、行方不明となった。
ほどなくして降り出した雪。
犬は匂いを辿って家に帰ってくる帰巣本能があるというけれど、雪の影響か帰ってくることもなく‥
手書きのチラシをコピーして、写真を焼き増しして貼り付けて‥あちこちの電信柱に貼った。何日も探したけれど、テツには再会できずのまま。
どこかで必ず見つかると思っていた幼心にショックだった。今でも迷子犬の話を聞くと‥その頃の記憶がよみがえってチクチク痛む。
チワワは、自宅出産も経験。
ペティ。車好きでよく一緒にお出かけ。
犬の出産を自由研究のテーマにした私は、学年で一人選出される校内発表に選ばれた。スライドショーを作ったり、発表の準備をしたことを覚えている。
当時学校へ行きたくない期(参照:校門待ち伏せ隊が導いた岐路)をようやく脱した頃で、緊張しながらも挑んだ全校生徒の前での発表は想い出深い。
次にやってきたのが、ピレニーズという大型犬。
そもそもの犬好きは、母の影響。母はなぜかこのピレニーズを飼いたがって‥気づけば3匹。
ジェームス。体重は約55kg。
大型犬は、瞬発力が凄まじい。
当時中学生だった私。散歩に行くと‥他の犬を見つけた瞬間「あそぼ~♪」と喜びダッシュする犬に引きづられて膝が擦りむける、という経験を何度も味わった。
かけていた制服を噛み噛みされて、ズタズタになったことも。。何かと手間もお世話もかかるけど、夏になるとヨダレをたらしている姿は愛らしかった。
ネコ遍歴
小学校時代、とある帰り道。
坂道の道路脇にある幅20cmくらいの溝で、猫が流されていた。
水流はそこまでないにしろ、カーブの部分にようやく爪をひっかけて流されそうになっている仔猫。急いで助けて家に連れ帰った。
この茶色のトラ猫が私にとって、初めての猫。「チャトラ」と命名。
爪の出し入れができることも、毛がふわふわなことも、舌がザラザラなことも新鮮。犬と猫とは、生体も性質も全く違うということを知る。
外と家を出入りしていたので、ノミを連れ帰って、日々お風呂にいれてノミ退治をしたことも。
チャトラが家にきて1年経ったぐらいある日‥
急に死んでしまった。
子犬だったピレニーズを庭で遊ばせていたら‥急に畑のほうへ。そこにチャトラが横たえていた。
身体はすでにカチコチ。何か病気を抱えていたのか、何が起きたのか全くわからなくて、気づいてあげられなかったことに涙した。
初めてのペットとの別れ。
にゃんずと暮らす
実家をでてから、“ペットとの暮らし”から離れていた。
結婚をしてしばらくして‥急に飼いたいモードが発動。
隊長はネコ派。私はどちらかと言うと犬派だったけど、犬なら一切世話をしないと言い切る相方に、候補はネコへ。
しかも、絶対に黒猫がいい、”クロネコ以外は猫にあらず”と言い張る隊長。
リス的には、え~黒猫~~って感じだったけれど‥またペットと過ごせる興味のほうが大きかった。
そんな時、お世話になっている方から「黒猫の赤ちゃんがいるよ~」と連絡をいただいた。
見に行ってみたら‥なんと10匹近くの仔猫。同時期に2匹のママ猫ちゃんが出産していたのだ。
1匹より2匹のほうが、留守の時も寂しくないかな。そう思った私は、黒猫と珍しいグレー縞の子を連れ帰った。「黒助」と「福助」と命名。
約400gの手のひらサイズ。
仔猫の愛らしい時期は、ほんと一瞬。
今となっては、貫禄をまとい、家庭内での存在感は絶大。
我が家の朝は、彼らにごはんをあげることでスタートする。
5~6kg。立派な存在感。
飼うということ
命あるものは、いつか死ぬ。
それは人間も同じ。
子供の頃の飼う感覚と、大人になってからの飼う感覚は別物だった。
この子に何かあったら‥病気になったら、介護が必要になったら、旅行は難しいな‥って、たくさん考える。
死んだらかわいそうだから飼いたくない‥というのもわかるけど、一緒に過ごす時間は何にも変えられない。命のある時間を一緒に過ごす。何があっても後悔しないようにしっかり向き合う。そう決めて迎えることにした。
彼らがやってきて、4年。
少しでも長く一緒にいれますようにと日々願いながら、楽しく過ごしている。
最近、お山に野良猫が出現した。
野生動物はいっぱいいるけど、野良猫はとてもめずらしい。
突如やってきた白い猫さん。
捨てられたのか、野良生まれなのか。
特徴:オスメス不明。かぎしっぽ。
左耳の先端が真っ直ぐ切れている。
迷子猫情報もひととおり見たけど、該当するものは見当たらず。特別人懐っこいこともないので、野良猫なのかなぁ。民家が少ないお山では、交通事故の危険は少ないものの、過酷な状況だろうなぁと想像する。
昨今耳にする「地域猫活動」や「TNR活動」というワード。
殺処分されてしまう多くが、仔猫と聞く。
そう思うとTNR活動も理解できるし、地域猫活動も猫嫌い/動物嫌いな方々との共存にも繋がるのかなと思う半面‥野良猫はいなくなることが前提で、それが目指すべき所なのかなと思うと‥よくわからなくなってくる。
お山に現れた、少し痩せた小柄な子。
そんなことを色々考えながらも、ご飯をあげることにした。
我が家に迎えるにはいくつもハードルがあって難しいかもしれないけど、健康状態を確認するにしても、病院に連れて行くにしても、慣れないことには難しい。
そう思いながら約3週間ほどが経過。
いつも話しかけていたら、「‥にゃー」と “か細い声” を初めて聞くことができた。
「私は気ままに外で生きるわ~」「僕もお家に入れてよ~」なんて、話してくれるといいんだけど、こればかりは難しい。かといって、人間社会の様々な言い分が正しいのかもわからない。
この出会いの先には、どんな未来が待っているかな。
楽しい未来だったらいいなと思いながら‥今日も少し離れた場所から白い子を見ている。