お山に突如現れた迷い猫を保護した。
ギンジと命名したオスのトラ猫は、動物病院での検査で「猫エイズ」に感染していることが判明。
* 迷子猫の保護と猫エイズ〈前編〉の続きです *
猫エイズと多頭飼い
猫エイズは、一度かかってしまうと治すことはできない。
猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症(FIV))
免疫機能を破壊する猫免疫不全ウイルスが体内に入りこむことによって感染し、その後時間をかけて免疫系の不具合に伴う様々な症状が見られる病気です。
初期症状としては、軽い発熱や下痢、リンパ節の腫れなどがあり、これらの症状がおよそ数週間から数か月続きます。
その後、一見すると症状が見られない時期を迎えますが、これは病気が治ったわけではないので注意が必要です。
症状が進むと慢性鼻炎や体重減少、口内炎などのはっきりした症状が見られるようになり、さらに病気が進行すると、免疫不全による感染症や衰弱によって死を迎えます。
いつもと様子が違うと感じたら猫の様子を注意深く観察するようにしてください。特に、体調不良で元気がない状態がしばらく続く際には、早めに病院を受診する方がいいでしょう。
猫エイズ感染から発症するまで、いくつかのステージがある。中には、発症しないまま生涯を終えれる子もいるという。
ギンジは、他に特に悪いところはなく、今のところ猫エイズの症状もない。
食欲も旺盛のギンジ
食べるのダイスキ
猫エイズの感染経路は、唾液感染と母子感染。
唾液感染では、喧嘩による感染が多いらしく、オス猫のなわばり争いなどが原因となるようだ。
ギンジは、未去勢だった。
立派なオスの貫禄
これだけ人懐こいのだから、大切に飼われていたはずと思いこんでいたが…
未去勢であったことや、人間の食べ物にとても反応するので、可愛がられてはいたものの、昔ながらの自由な環境で過ごしてきたのかもしれない。喧嘩もしてきたのだろう。。
唾液感染の恐れを考えると、多頭飼いで一緒に過ごすのは望ましくないとされている。
喧嘩をしなかったとしても、食器や水の共有、グルーミング(毛をなめあうこと)で感染する可能性も0ではないらしい。
でも、多頭飼いで一緒に飼っている方もたくさんいて、色んなブログなど読んだけれど、もし万が一うつったら‥と思うと、4にゃんずで暮らすのは難しい。
発症するかしないかは、その子の体力や身体の状態、またストレスにもよる、と先生から聞いていた。
かといって、ずっとケージに入れたままというのもかわいそうだし、見ている私達もツライ。
どうしたらいいものか‥‥と悩んだ結果‥
日中は、スタジオや雑貨店をギンジの場所にしてあげることにした。
看板ねこへの道
不思議なもので、ギンジはどこにいても、誰と出会っても平気なタイプだった。
お山に現れた時、ちょうど駐車場の工事中だった。
ショベルカーやトラックが行き交っていても逃げず‥一緒に工事を見ていたし‥
本棚を作っている時も、木材をカットする大きな裁断音にも、トンテンカンテンしている音にも動じなかった。
リフォーム中で散らかる部屋の中‥
でーんとパソコン前に陣取るギンジ
そして、誰が来ても人見知りせず、ナデナデしてもらって嬉しそう。
これ、ネコとしては、地味にすごい。
黒助は、配送業者さんがピンポンを押すだけで2階へ逃げるし、大きなもの(脚立など)が大嫌い。ハクは未だに掃除機が苦手だし、お客様が来たら、姿を現すことはない。
ギンジを保護したのが、雑貨店のリフォーム中だったので、色んな音と変わっていく環境の中でずーっと一緒に過ごしてきた。
いつも人のそばにいる
この子だったら、お店にいても悪さもせず、邪魔をすることもなく、楽しく過ごせそう。
日向ぼっこも好き
猫が大丈夫な人しか来られないかもしれないけれど、プレオープン中はそうしてみよう‥と、はじめたらInstagramを見て、2人の方がギンジに会いに来てくださった。
全くの初対面の方で、ギンジが繋いでくれた出会いといっても過言ではない。‥招き猫なのかもしれない。
ギンジは、日中はスタジオ&お店で私達と一緒に過ごし、夜はケージに入り、寝る時は隊長の部屋。このサイクルが日常となった。
3階建てのギンジのケージ〈隊長作〉
猫エイズは、少しずつ進行はしている。治ることはないし、発症すると‥ツライ時間を過ごすことになると思う。
でも、未来がわからないのは、みんな一緒。
できるだけ長く健やかに過ごせるように … そして、今を楽しく過ごそう!とギンジを見ているとそう思う。とてもいい子なのだ。
お店をはじめるタイミングで巡り合ったのも何かの縁。これからもお店で、一緒の時間を育んでいこうと思っている。
お店にお立ち寄りの際は、ぜひナデナデしてやってください♪
未去勢の期間が長いオス猫は、顔が横に大きいらしい。
ホルモンの関係で、顔は大きくなり、皮膚は固くなるんだとか。ライオンのたてがみ的要素というか、オスとしての威厳と強さの表れなのだろう。
去勢手術を終えてからも、動物病院に行く度、「ほんとオスの顔だねー」と言っていただくので、ホルモンの関係ならば‥去勢したので顔も小さくなるのかなとたずねたら‥
「変わりません」と、先生。
顔の大きさは、動物病院公認のギンジです。
少し体重も増えました
顔の大きさはチャームポイントです♪
リスノ雑貨店
お店のInstagramでは、ギンジもたまに登場しています。
よろしければ、覗いてください♪
Instagram:risuno_zakkaten