昨年、大晦日の日。
申込期限ぎりぎりで選んだふるさと納税の返礼品が、届き始めている。
先日も、宅配便で届いたので、ハンコ片手に受け取りに出たところ…
「ハンコは要らないです。電子サインでお願いします。」との声。
ハンコは要らないの?
日常生活で、めっきり出番が少なくなったハンコ。
書類に押印するなんてことも、一年の間に数回あるかどうか。オンラインで申請が可能なものならば、ハンコが必要ないことも多い。
「この先、ハンコは不要になるのか?」
調べてみると、ハンコ業界は「印章産業」と呼ばれていて、その印章業界は縮小を辿っているようだ。
地方自治体によっては、書類には署名(サイン)があればハンコじゃなくてもOKという「ハンコレス」を取り入れる所も出てきている。
「ハンコは、他の人も同じ量産品の印鑑を持っていたり、偽造することもできる。サインなら、いかに真似て書いても筆跡鑑定をすれば、本人でないと判断しやすく、トラブルの回避や予防にも繋がる。」というハンコ不要論もある。
ハンコ文化発祥の地は中国。
日本史でも「漢委奴国王」の金印について学んだ。その中国ではすでに、印鑑はほとんど使用せずにサインに取って代わられたようだ。
本家、元祖が廃業してしまっているのか!?
電子サインって何?
「電子サインでお願いします。」と言われて、一瞬「電子サインって何?」となったが、要は携帯端末の液晶にサインするあれだ。
配達員の方が「こちらにお願いします。」と差し出したのは、スマートフォンを少し分厚くしたような端末。
「そのまま、指でどうぞ。」と言われて、指先を使って7cm四方の画面に署名する。
液晶の画面に文字を書くのは、DSの「大人の脳トレ」ぐらいしか経験が無い。しかも専用のペンで書くので、まだ、書いている感覚に近い。
宅配受け取り時のサインは、ペンを使うことも無く、指先で文字書く。なかなか不思議な感覚。
とは言え、この電子サイン、簡単でお手軽だ。
「ハンコはどこにあったっけ?」「ボールペンが出ない」なんてことも無く、身一つで荷物を受け取れるのは楽ちん。
きっと、端末にサインが完了したら、受取済の信号が本社に送られ、送り主に受け取り完了e-mailが配信されるなんてシステムになっているんだろうと勝手に想像する私。
佐川急便の電子サイン化の記事(2015年)などを見ると、「受取伝票の処理作業・管理のスピード化や、伝票を紛失してしまうといった心配もなくなるというメリットがある」とのこと。
なるほど…「受け取り伝票の紛失が無くなるのは良いよね。」と、学生時代のお中元の配達のバイトで、受取伝票を無くして怒られた記憶がよみがえる私だった。
さて、記事を書いていると、呼び鈴が鳴る。今日も、佐川急便でふるさと納税の返礼品が届いたようだ。
「ハイハイ、電子サインを・・・」と思って、玄関を開けたところ、配達員さんの手には受け取り伝票。
「ハンコかサインをお願いします!」
なんでも、まだ配達員全員が電子サイン用の端末を持ってはいない、ということらしい。
すべてが電子サインになるのは、まだもう少し先のようだ。ちなみに、この電子サインは、佐川急便や西濃運輸で導入されているらしい。
この電子サイン。
「ペーパーレスで環境にも配慮している」という声もあれば、「液晶パネルが書きにくい」「不特定多数の人が触った液晶にサインするのが嫌」という声もある。
新しいシステムには賛否両論が飛び交うのも、世の常。
ちなみに我が家では…
さて、宅配受取りの電子サインは、数年後どんな結末を迎えるだろうか。
私は、発展していくに一票派なのである。