隊長!発信!

作曲の発注について

TV欄を見ていたら「東京ラブストーリー」(再)という文字が。

91年からの放送、大ヒットしたTVドラマ、世代的にはばっちりの世代。といいつつ、「東京ラブストーリー」は、主題歌以外は良く知らない私です。

その主題歌の作曲は、小田和正氏。
楽曲の発注にあたっては、「オフコース時代の『Yes-No』に似た切ない感じの曲が欲しい」というリクエストがあったとか。※wikipedia「ラブストーリーは突然に」より。

楽曲の発注。
これが、なかなかムズカシイ。

 

 

本日は、過去に作成した制作例もご紹介します。

作曲をお願いする極意

以前ゲーム開発会社の音楽部署にいた頃、デモアニメーションに使用するオープニング曲や、映画のエンディング曲制作のお手伝いをしたことが幾度かある。

作曲家の方にBGMを発注していた経験があるので、今、その経験が仕事に生きてきている。

楽曲の発注。
作曲者に「こんな曲をつくってほしい」と要望する際、「こんな曲」の「こんな」が担う部分をどう伝えるか‥これが肝だ。

「お願いする曲は、パズルゲームに使用するものですので、ハラハラを助長する雰囲気でお願いします。」

流石に、こんな大雑把な注文だと、作曲家の方もどんな曲を作ったらいいかよくわからないだろう。

制作してほしいイメージをどれだけ上手く伝えられるかが、成功のカギを握っている!と私は考えている。

前出の東京ラブストーリーエンディング曲のリクエスト
「オフコース時代の『Yes-No』に似た切ない感じの曲が欲しい」

それ以外にもきっと、脚本や展開、ターゲットの年齢層など色々な情報があったと思うけれど、もしもこれだけのリクエストで「ラブストーリーは突然に」が出来上がったなら‥

恐るべし小田和正先生様である。

作曲の注文書に書く事柄

“作曲発注書”みたいなテンプレートは見たことないが、作曲発注にあたっては基本情報として‥

  • 楽曲の長さ(~小節、~分)
  • 曲調
  • 使用楽器の種類
  • 音数(昔のゲームでは音数の制限があった場合も)

などを伝達。
さて、問題はこの先「イメージ」をどう伝えるかである。

テンポは112。前奏は8小節。前奏前半4小節はピアノのコードとヴァイオリンのメロディーのみ。前奏後半4小節は、もう一本のヴァイオリンを加えて、前奏終わりの小節の最後の一拍は休符。

という風に、かなり緻密な作曲の設計図をこちらで描く場合もあれば、制作する曲の感じは作曲家A君の得意分野だから‥

テンポは130。前奏は8小節。4つ打ちのリズムとシンセベースが楽曲を支えるような、エレクトロダンス・ミュージック風で。

とざっくりとお願いすることもある。
あまり細かく注文すると、遊び心が入りにくいので、ちょっと曖昧な感じにとどめておこう、なんて場合も。

 

 

作曲家の得意分野や癖を捉えながら、誰にお願いするかを検討し、伝える内容や言葉を選ぶのだ。

 制作例を一つ

studio untrapを始めた当初、スタジオのデモ用にMV(Music Video)を制作した。

制作したといっても、デザイン事務所をしている知人が企画したプロジェクトのMVを勝手に作ったものである。

そのプロジェクトとは‥


P.S project 地元企業広告による、やさしい地域づくりを目指します。新聞折込チラシを利用した「置き手紙」プロジェクト。

スタジオを始めたばっかりで暇だったのだろうか?
作曲のお願いにあたって、イメージを伝えるためにと、作曲設計図と隊長自らが作ったMV試作品まで作成。

こちらが実際の設計図( medetai発注書PSProject)とMV試作品。
枠内をクリックすると動画が流れます~ご覧ください。(※音が出ますので注意。)

 

これを知り合いの作曲家・松村君に送って、BGMを作成してもらった。
そして、こちらが完成版。

 

 

なんということでしょう~♪
あの試作品が、こうなる…作曲家恐るべしである。

軽快な中にも、「手紙」のあたたかさや「人」の優しさも含まれている。
コミカルタッチとお願いした私が、恥ずかしくなる出来栄え。2つを見聞きしつつ、我が家では感動と爆笑を繰り返した。

スタジオアントラップでは音楽制作も承っておりますので、ご相談お待ちしております。
もちろん、隊長は作曲も編曲もいたしませんので、ご安心を♪

ABOUT ME
Taicho
studio untrapのサウンド担当。美容院の息子に生まれた影響からか。第一印象の人当たりは良し。「早く家に帰りたい」と「大丈夫、何とかなるじゃない~」が口癖。無難かつ合格ラインを見極めて進む『良い塩梅』派。
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