9月12日に投稿した記事:リスノ巣箱「悩ましきギター」から、ギター購入へと進展した。
その後、「最低でも1日15分は弾く‥もとい、触る」を目標に日々せっせと練習を重ねております。
練習開始から一ケ月の今「ギター初心者が、レコーディングに挑んだらどうなるのか?!」実験を試みました。
隊長が「へたくそな演奏も今だけ。いや~あの時はまだまだだったよね~と笑い話になるさっ。」と、甘い言葉で巧みにスタジオへと誘います。
そこには、レコーディングの山あり谷ありが待ち受けているのです。
難関「リズムキープ」
きっちりとテンポとリズムが維持できていると、演奏がうまく聴こえる。
もちろん、意図してリズムに緩急をつけることはあるけど、それは基本が出来てその先にあるものだ。
リスにはまず「ゆっくりでもいいので、リズムキープを大切に」してもらうことにした。
リズムキープの代表といえば、メトロノーム。
左右に揺れつつカチカチとリズムを刻んでくれる、リズムキープの代表選手。
ピアノだったら、楽譜通りのテンポで演奏できるよう練習に使用することも多いと思うけど、メトロノームを鳴らしながらギターを練習するというのは、アリカワ少年も実は未経験。(参考:アリカワ少年とギター)
レコーディングでは、“クリック”と呼ばれるリズムやテンポを一定に弾く為のガイドの音をメトロノーム替わりに使って録音することが多いのだが、このクリックが苦手な人は多い。
ピアノ経験者やクラシック出身の方は比較的大丈夫な人が多い傾向だが、メトロノームに馴染みの薄い人は、どうもあの無機質なカッ…カッ…カッという音が耳障りとなり、追いかけられる気がするらしい。俗に言う「クリック恐怖症」。(←スタジオアントラップ命名)
特にギター弾き語りの方は、普段自分のリズムで演奏しつつ歌っていることが多いため、当スタジオでもこの「リズムキープ」に悩む様子をよく見かける。そして、クリック恐怖症も勃発。
リズムをキープしながら演奏するというのは、訓練していなければ‥ムズカシイのです。
リスはと言うと‥エレクトーン経験歴のおかげか、クリック恐怖症の症状はでない模様。ただ、現在の演奏できるスピードにあわせてテンポを設定したら、お盆休みの高速道路状態になってしまった。
ジリジリすすむが…いつか止まりそうだ。のそりのそり。
さりげなく「パ~ンチイ~ン!」
とりあえず間違いつつも16小節ほどギターを録音してみたリス。
練習開始から一ケ月の初心者。
聞き直していたら‥びっくり発言が飛び出す。
「あれ?うん?これって、どこの音やっけ?」
コード譜を見よう見まねでただ抑えているだけ状態なので、弾いている時はいいけど、聞き直した時‥メロディ(歌)なしでは、自分が奏でている音がどこなのかを一瞬見失う事件発生。
また、どうしてもうまく弾けないコードがある。
何回かに一回は弾けることもあるのだが、その確率はまだまだ低い。
そ~んな時はこれ!
「パンチイン」(パンチアウト)とは、うまく弾けた場所はそのままに、間違った箇所だけを録音することが出来る技法。
TVの音楽番組でレコーディング風景が紹介される時「Aメロの前半4小節だけもう一回!」なんていっているあれです。
リスも「パンチイン」に挑戦。間違った個所だけを弾きなおすのだ。
弾き直しは無事成功。
うまく弾けなかったコードも、ちゃんと音が出たのだが…何かおかしい。
間違った音だけを待ち構えていて「ジャ~ン」と弾いていて、そこだけやたら主張されていた。
流れを無視した、とんでもない違和感。
草原を歩いていたら、急に前に山が出現したような状態なのだ。
そう。パンチインは、前後からの流れをくんで、同じような強さ&弾き方でなめらか~にさりげな~くパンチインしないと‥「はいここです。間違ったのでやり直しした現場です。」と自白した状態になってしまう。
もちろん、全て一発で華麗に演奏できるのが一番ベストな状態。
でも、人間だもの。
その音だけ間違っていなければ‥なんて時もあります。そういう時は、さりげないパンチインを駆使するのです。
「どれどれ、練習開始一ケ月間の成果はどのくらいのものなのか?」と試しに録音してみたのだが、まだまだ先は長いプロジェクトになりそうな気配。
若干微妙なところもある音源を楽しそうに聴いているリスを見て、「そうそう、録音は楽しいのだ」と初心を思い出す私であった。