駄目ですか?フラフラ行動
幼少の頃、大阪万博での出来事。
ソ連館で迷子になり、騒動を巻き起こした過去がある。
家族内の事件として語り継がれているが、私の感覚としては‥
ただ気になったものをずっと見ていただけ。
そんな私は、大人になった今でも、家族や友人達と買い物に出かけると、一団を勝手に離れて‥自分のペースでフラフラと売場を歩きまわってしまうクセがある。
「どっか行くなら、一言、声かけていってよね。」とか、
「人が探してるんやから、せめて携帯には出てよ…」とか、
「探しに行くのが大変やから、離れんといて…」なんて、注意されたり。
自覚のないフラフラ行動。
リスに「一体どんな思考でそんな行動になるわけ?」と聞かれたので、今日は真面目に考えてみたのである。
時には役立つフラフラ行動
思い返せば‥このフラフラ行動は、仕事に役立っていたことがある。
スタジオを始める前、私はゲームの開発会社にいた。
そこでもサウンドの仕事をしていたのだが、ゲームの開発の終盤になると、手の空いているものは「デバッグ」のお手伝いをすることがお約束となっていた。
実際にゲームを遊びながら、潜んでいる不具合をひたすら探すという根気のいる作業だ。このデバッグをしていると、何かしらの不具合をよく発見した。
私が発見したコトをプログラマーに報告すると「よくそんなバグを発見しましたね~」とお褒めの言葉。
でもその一方「なんでそのバグが見つけられたのか不思議だ」なんてことになり、一度、有川さんのプレイを見せてくださいという話に。
実際にプログラマーの横でゲームをプレイしてみた時‥放たれた一言。
「なぜ、そこで後ろに戻ろうとする?その行動をする意味がわからん。」
例えば、町の中を左から右へ進むというルールが決められているゲームだと、普通は戻ったりしない。
私ももちろんそのルールに従い、町の中を左から右へ進んでいくのだが「あれ?さっきの看板、なんて書いてあったのだろうか?」「あの建物と建物の隙間に入ってみたい。」と、気になることや興味がひかれるものがあると、それが何だったか確認する行動に出てしまうようだ。
そう、ゲームの中でもフラフラしている私。
一般的な遊び方とは違うその行動が、タイミングよく?不具合を誘発しているようだった。
興味か?探究心か?
これらの行動パターンを自分なりに分析してみたところ‥
私には『興味の磁石』が存在しているようだ。
かっこよく言ってみたものの、興味のあるものに、ただただ引き寄せられているだけ。
この記事を書きまとめながら「興味のあるものに引き寄せられる行動パターンって、ある意味、探究心の塊なんちやうん~」と独り言を言っていたら、リスが「それは時として、ただの身勝手にすぎない」と訂正があった。
周りに少々迷惑をかけていることがあるかもしれないが、興味の磁石に逆らわず吸い寄せられるまま行動することで、私の興味と知識の引き出しは増えてきたように思う。
そう考えれば、フラフラ行動は「探求の一歩」という説明が妥当だ。まだまだ探求の手は緩められないのだ。
先日、家族で買い物に行ったら、ショッピングモールで父が行方不明になった。
家族に何を伝えることもなく、皆からフラリと離れる父。
「いっつもすぐフラフラどっか行って~」と嘆く母。
携帯を持たない父をひたすら探す私たち。
どうやら父も、未だ探求心旺盛らしい。