歯科医院って、なんであんなにコワイんでしょ。
消毒液のような、薬のような、あの匂い。
歯を削るときの甲高い「キュイーーン」という金属音。
治療中、キャッと走る踏ん張りの効かない痛み。
そんな説明できる理由だけではなく、歯医者さんは無条件になんか‥怖い。
憧れの真っ白な彼
子供の頃、私は虫歯に悩まされていた。
歯科衛生週間も歯科検診もなんしか憂鬱だった。
小学生の頃、夏前に行われる歯科検診。虫歯が発見されたら「夏休みに歯医者さんに行ってきなさいね」とお達しの紙が配られる。
この紙をもらわなかった年は一度もないと記憶している。
ある時は、クラスの掲示板に「歯の状態」が貼り出された。
検査などで用いられる歯列の用紙に、虫歯があれば黒く塗られ、治療痕があれば黄色く塗られる。
一目瞭然
見えないはずの口の中の状態をみんなに暴露される、この制度。今の時代ならば絶対できないだろう。
「虫歯にならないようにしましょう」という呼びかけが目的なのかもしれないが、実例として掲示されている身からすれば、たまったもんじゃない。
その中で、ひときわ目立ったのは、用紙が真っ白の子。
治療痕があれば、黄色く塗られるので、みんな何かしら色が付いているのに、一人だけ真っ白の男の子がいた。
彼は、色白で線が細く、普段は全く目立たないタイプの子。
私は羨望の眼差しで彼を見ていた。どうしたらそんなに虫歯にならずにいられるのかが不思議で仕方なかった。
大人になって「虫歯になりやすい人」がいると知る。
それは、唾液の成分や遺伝子といった親からの遺伝によるもの。また、赤ちゃんの時に大人からどんな菌をもらってしまったか、ということが大きく関わるそうな。
赤ちゃんに可愛いからと、むやみにチュッチュしたり、同じスプーンを使うなどは、絶対にタブー。
そうはいっても、なりやすいタイプに属しているのであれば、虫歯を防ぐしかない。
ということで、私は、歯科の定期検診を欠かさず行くようになった。
大嫌いな歯科医院に3か月に一度は通院。
治療をしない通院は苦にならず、歯のお掃除で表面もつるつるになるし、もはや行かないほうが不安になる。
今や虫歯に悩まされることもなく、歯科衛生士さんに歯磨きを褒められるようになった。
でも、ただひとつ悩ましいのが‥親知らず問題。
マイ親知らず
私の親知らずは、上に1本、下に2本。
上の1本は、10年前に少し生えてきて、その時に抜歯済。
問題は、下の2本。
これが真横に生えていて、完全に埋まっている状態。
完全埋伏歯と呼ばれ、レントゲンでは、奥歯に向かう方向で真横に埋まっている。
注:こちらは写真素材(他人の歯)
下の親知らず2本の状態は、このような感じ。
完全に埋まっている状態で痛みもないので放置していたが、ある時、奥歯との歯周ポケットの溝が深く、汚れがたまると、奥歯が虫歯になったり、中で炎症も起こりやすいので抜歯を検討することになった。
がしかし、あまりに奥まっていて、神経に近い場所の親知らず。
大きな病院の口腔外科での抜歯を勧められ、紹介状をもらって市内の大きな病院へ。
レントゲン&MRIも撮って、その道では有名らしい先生の診察を待った。
先生はにこやかに、開口一番。
「これは~ムズカシイね。やりたくないね~。」
えーーーーーー。
抜歯の覚悟を決めていた私は、説明をもとめたところ‥
・顎の骨にくっついているので難解。
・神経を傷つける恐れがあるので、感覚を損なう可能性あり。
・横向きに生えていて、物理的に抜くのがムズカシイ。割って抜くなど試みるが、万策尽きたら、最悪の場合、奥歯も抜歯の可能性あり。
・下2本抜くとしたら、局所麻酔の時間では足りない可能性が高い。
したがって‥
抜歯は、全身麻酔・2泊3日コース
大きな怪我も病気もしたことがないので、入院経験もなし。ましてや全身麻酔‥おおごとになってきた、とビビる私。
そうは言っても、ハイリスクな抜歯と渋る先生。
奥歯を良い状態で維持するために抜歯を考えたはずが、最悪、奥歯を失うリスクまであるなら今する必要はない。
結局、定期検診で要観察となって数年が過ぎている。
大人しくしててね
先日、いつもの定期検診へ。
奥歯の歯周ポケットが、これまでよりも小さくなっていた。
良い傾向だけど、なんででしょ?
久々にレントゲンを撮って確認してみたら‥
真横に向いていた親知らずが、やや下向きになっていた。そのため‥
歯周ポケットが小さくなったので、清潔を保ちやすい。これは良い傾向。でも抜歯は、さらに難しくなったはず。。
うーーむ。
結局やっぱり悩ましい。
ずっと埋まったままで生涯を終えられることもある一方、急に炎症をひきおこしたり、または、前歯の歯並びに影響が出ることもあるそうだ。
もし腫れたり痛みが出れば、炎症がおさまるまで手術はできないし、手術となれば、アンパンマン級に顔も腫れるため、自営業ゆえ時期の検討も必要。
3か月に1回の親知らず確認。
歯科衛生士さんと動向を注視しつづけているが、今のところ、現状維持しか術がなく‥
親知らずさん。
ずっと大人しくしててね。と願うだけ。
これはもう、神頼みしかない。
そんなに凄いとは! 全身麻酔も奥歯2本なくなるのも どれもこれもイヤだから、虫歯にならないように、又 年をとってくると歯茎が痩せてくるからケアが大切ですね。痛みが出てきませんように。
ありがとうございます。親知らずは全く見えていないのですが、存在していることによって、隙間に汚れや菌がたまって炎症をおこすようなこともあるらしく‥しっかりデンタルケア・検診、そして、疲れをためない!これくらいしかできません。なむー。