スーパーで出会った「で！！」おじさん

メモしてください♪

 

昔からノートをとったり、メモをとるのが苦手なタイプだ。中高校生の時も、基本は板書を書き写す程度。

さすがに社会人になってからは、会議だ、打ち合わせだ、連絡事項だのメモをとるようになったが、そうは言っても、慣れないことには変わりは無い。

社会人になって部下ができ、打ち合わせ中、何もせずに会議を聞いているだけの部下に「メモをとれ！メモを！」と、自分もうまく出来ないくせに偉そうに言っていた。

メモは、要点を見極める能力が必要だ。
何でもメモメモ！と書きなぐっていても、後で乱雑な文字を眺めるだけで使い物にならない。

メモスキルは、全体を把握する力や理解をする能力も必要なので、奥が深い。

以前まではメモをする時、ノートPCを使用していたが、最近では、もっぱらスマホがその変わり。

買い物を頼まれる時も、紙メモを渡されることもなく、LINEで買い物リストが送られてくる。買い物のリストを手の甲に書いて。。なんていうこともすっかり無くなった。

買い物メモは手の甲に？

 

先日、いつも行くスーパーマーケットで、手の甲に買い物のメモを書いたオジサマを発見した。

発見したというより、目に、いや、耳に飛び込んできた。

パン売り場の周辺。
周りの人が振り返るくらいの大きな声。そこに、携帯で誰かと話しているオジサマがいた。

 

 

手の甲を見ながら電話しているオジサマ。
おや？これは手の甲に書いたメモ書きが『で』を除いて消えてしまったのでは…と推測。

何度も「『で』や、『で』！」と繰り返すオジサマ。
直後に「あ～あったわ、あった。」と言って、何かをカゴに入れ、電話を切った。

 

「で」のパンを探せっ。

 

あんなに大きな声で『で…で…』と繰り返してると‥さすがに気になる。「で」は何だったのか気になって、オジサマが何かをカゴに入れた場所に行ってみた。

そこにあったのは “デニッシュ”。

なるほど、デニッシュの『デ』ねと納得した。
確かに、パン売場で「デ」から始まるモノを見つけろ！と言われたら、ちょっと難しいかも知れないなと思った。

「で」の次は「し」

『デ』が見つかった後、ほどなくして、先ほどのオジサマの声が精肉のコーナーあたりから聞こえてくる。

 

まさかの展開。
またもや手の甲のメモ書きが「し」の文字を残して、それ以外は消えているのか？！

またもや「『し』や、『し』！」を繰り返すオジサマ。一瞬、これはデジャブかと思うような光景。「あ～あったわ、あった。」と言って、何かをカゴに入れ、電話を切った。

ここは、確かめたくなるのが私の常。
何を発見して、カゴに入れたか気になった私はその場所に行ってみた。

 

 

そこにあったのは “ 豚肉「しゃぶしゃぶ」用 ”

豚肉の「ぶ」じゃなくって、しゃぶしゃぶの「し」なのか！
「豚肉・しゃぶしゃぶ用」商品名の途中にしか「し」は登場しませんけど…

そんなことを考えているうちにオジサマを見失った私は、レジで商品を精算し、買い物を終えた。

野菜売り場に轟く声

スーパーを出て駐車場に向かおうと、出口の自動扉の前に立った私。
野菜売り場のあたりから、あのオジサンの声が聞こえてきた。

 

え、まさかの二度あることは三度ある？

次は『た』なのか？『た…た…』から始まる野菜を考えながら、駐車場に向かい車のエンジンをかける私。

「あ、わかったぞ、たけのこだ。」と考えると同時に、オジサンのメモの書き方が気になった。

三回も同じことが繰り返されるということは…

もしかして、最初の文字だけしか手の甲には書いてないんじゃないか？それって、メモ書きと呼べるのか？いや、家族からオジサンに出されたクイズとか？

そんなことを考えながら、家路につく。

帰宅後に、リスに「た」から始める野菜って何？と聞いてみた。リスの回答は「たけのこ」。やはり、「た」から始まる野菜は、たけのこに違いない。

リスは続ける「でも、今は季節的に、たけのこは水煮だね。あっ、タラの芽もある！」と。

 

 

うーん、タラの芽の線は薄そう。

後日、スーパーに行った時、野菜売り場を一回りして正解を探してみた。結果、たまねぎとたけのこの水煮を発見。

ただ、どちらの「た」が正解だったのか？その答えはあのオジサマしか知らない。

 

 

それからというものの‥
「たまねぎ」「たけのこ」を見ると、瞬間的に「大声おじさん」を思いだしてしまう。

あ～正解を教えてください～オジサマ～。