年末の恒例行事と言えば、歳末助け合い運動、年末セール、忘年会、そして第九。
コンサート音響で、いろいろな会館やホールに行くことが多い私。初秋の頃から「年末の第九コンサート」のチラシを良く見かける。
「第九」…正しい楽曲名は、交響曲第9番ニ短調作品125(ドイツ語: Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125)ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品。
中でも、第4楽章で歌われる「歓喜の歌」が有名。
関西で第九と言えば…
関西で第九と言えば、”一万人の第九”だ。一万人の合唱団による第九コンサート。
指揮は、世界的に有名な佐渡裕氏。
MBS(毎日放送TV)が主催していて、コンサート会場は大阪城ホール。合唱団が一万人にもなると大きな会場が必要だ。
こちらの合唱団は、小学生から90歳代の高齢の方までと幅広い。また、幅広いのは年齢層だけでなく、日本だけでなく海外から参加される方も。ワールドワイド第九なのだ。
しかも、この合唱団、だれでも入れるわけではない。
5月~6月に合唱団の募集が行われ、7月に抽選がある。
そこで当選したら晴れて合唱団の一員。いやいや、ここからがスタート。8月に入ると合唱団の練習が始まるのだ。
全12回(経験者は6回)のレッスン(練習会)が開催され、3回以上休むと合唱団に参加できなくなる。約4ヶ月間の練習を経て、12月に大阪城ホールでコンサートデビュー。第九への道は一日にしてならず。
※本番のコンサートの模様は、MBSの特番で放送される。
以前に知り合いの方が合唱団に参加されていて、もしかしてTVに映っているかも?と思って見たのだが、発見は至難の業。ウォーリーを探す方が100倍簡単だ。
CDの長さの基準になった第九?
この第九。
CD一枚の中に入れられる音楽の長さを決定する一つの理由になったと言われている。
CDは、フィリップス社とソニー社の共同開発していたが、CD一枚に記録できる時間をめぐってフィリップス社とソニー社が対立。60分を主張するフィリップスと、74分を主張するソニー。
収録可能時間を決定する際に、世界的に有名な指揮者カラヤンが「ベートーヴェンの交響曲第9番がCD1枚に収まるのがいい」と助言。第九の演奏時間が、だいたい60分~66分ということもあり、最終的にCDに収録できる時間が74分に決定したのだった。
CD収録可能時間の素となった第九。
第九の演奏時間がもっと長かったら、CDに収録可能時間ももっと伸びていたのだろうか?
※写真はシカゴ交響楽団の第九CD。
現在、CDに収録できる最大の時間は80分。
第九の演奏時間が伸びたせいではありません。
各地で開催される第九
一万人の第九に習ってか、年末には各地で合唱団に参加できるタイプの第九コンサートが多く開催されている。
地方の合唱団主催のものから、コンサートホールや市民会館、管弦楽団主催のものまでいろいろ。今年は地元の第九に参加したから、来年は違う第九に参加というのも年末の楽しみ方の一つかもしれない。
友人が何年か前に、びわ湖ホールで行われた第九に合唱団として参加した。
公演当日の様子について聞くと、演奏者の一人としてステージに立つ感動はもちろんのこと、普段見ることのできないバックステージを見れたのも感動の一つだったそうだ。
「アリカワ君も、一度、参加してみなよ。むっちゃ感動するで~。」と誘われてはいるのだが…「ちょっと遠慮しておきます♪」としか言えない。
歌の歌詞はドイツ語。
私にとって、ドイツ語は大学時代に何度も単位を落とした苦い記憶しかない。
あのドイツ語とまた何か月も向き合わないといけないなんて…想像しただけでも「歓喜の歌」は「悲鳴」に変わること間違いなしである。