リスノ巣箱

大人の階段・味覚の変化

実山椒の季節

実山椒がスーパーにたくさん並ぶ季節。

 

 

いつもこの時期になると、実山椒を買ってアク抜きなどの下処理をして、少量ずつをラップで包み冷凍庫へ。

下処理は、アク抜きやら小枝取りやら、少々面倒だけど、一度えいっとやってしまって冷凍しておくと、すぐ使えてとても便利。

ちりめん山椒好きの我が家は、この冷凍ストックの実山椒を利用して、思い立った時にちりめん山椒を作っては、ご飯のお供として楽しんでいる。

 

 

粉山椒も好き。
温かいお蕎麦にはもちろん、私は、キムチ鍋の〆でうどんやラーメンを食べる時に入れるのが好み。

とはいえ、いつから山椒を好きになったのだろう。

子供の頃に山椒を見かけたのは、うなぎを食べる時くらい。そもそも、うなぎがあまり好きではないので、山椒を見かける機会も少なかったけど、舌がびりっとして変な味でしょーという認識だったはず。

昔、苦手だったもの

そう思えば、山椒のほか…
しょうがやミョウガも好きではなかったし、20代前半はビールのおいしさも今ひとつわからなかった。

あと、コーヒー。
砂糖とミルクを入れてた時代もあったけど、今はブラック派。

大人になると、「苦い」「変な味」と感じていたはずのものが、いつしか美味しいと思うようになっている。

子供の頃、地味に感じられた「いんげん」も、今や美味しい。

 

天ぷら‥胡麻和え‥白和え‥♪

 

昔から嫌いではなかったけど、子供時代、天ぷらにおいての「いんげん」は、完全な脇役。でも今、我が家での天ぷら「いんげん」の地位は、時に海老よりも高い。

この味覚変化の不思議。

何か意味があるのかしら、と先日ふと思い立ち、ネットで調べてみると‥どうやら根拠があるようで、たくさんの発見があっておもしろかった。

情報をアップデートする舌と脳

味覚には、5つの要素(酸味・塩味・甘味・うま味・苦味)がある。

その中で本能的に「酸味」=腐敗しているかも?「苦味」=毒成分があるかも?と察知する力が備わっているらしい。

でも、何度か口にしたり、大人が「おいしいおいしい。」と食べている様子を見ているうちに、その食べ物は安全で美味しいもの、と認識していくようで‥舌も脳も学習しているんだ、とびっくり。

この件について調べていた時、興味深い記事の中にあった一文。

・「おいしさ」は、味覚のみならず、五感、さらには経験や現在の心身の状態までが反映されて感じられるもの。

・「脳や味蕾(みらい:味を感じるセンサー)などハードウエアが変化するのではなく、経験や知識によって、いわばソフトウエアが変化する」ために起こる「おいしさの変化」があるわけです。

「大人になると味覚が変わるって本当?コーヒーやビールが好きになるのはなぜ?」耳鼻咽喉科医/木村聡子 先生の記事より》

昔、テレビで見た光景を思い出した。

子どもが握った “少しイビツで握りきれていない、おにぎり” を高級料亭で出したら、「絶妙な握り具合で美味しいわ。」と褒めていたマダム2人組。

これは完全に「高級料亭=絶対的に美味しいものがでてくる。」という信頼と安心感がもたらした「美味しい」だ。

 

美味しくないわけがない、というシチュエーション

 

シチュエーションや経験、周りの環境(美味しいと力説する人がいる)などによって、味の感じ方に変化があるのならば、刷り込み的要素も大きい。

でも、美味しいものを食べている経験が多い人は「舌が肥えている」と言うのも、なるほど納得。

ストレスで苦味が変化

それと、ビールの苦味。

仕事終わりのビール。
風呂上がりのビール。
昼間のビールはうまい !

これらをCMや身近な人から聞き「そんなに美味しいのか!」とインプットされた上で体験した時「本当だ!」「たしかに美味しい!」と感じると、苦味さえ最高の美味しさに変わる。

 

夏のビールって格別

 

また、ストレスを感じている時ほど、苦味を感じにくくなるというデータがあるそうな。

疲れている時やストレスを感じている時は、ビールが美味しく感じたり、カカオ濃度の濃い苦めのチョコレートが美味しく感じるらしい。

思えば私も、ビールが美味しくなったのは、社会人になってから。フリーで仕事をはじめた友達、子育てに忙しい友達が、最近やたらビールが美味しいと言っていたことを思い出す。

味覚を司る味蕾(みらい)と呼ばれる組織は、子どもの頃が一番多く、30~40代で子供時代の3分の1ほど減ってしまうとか。

なので、これまでの食の経験値によって美味しいものを知った反面‥実は、細胞的にはどんどん衰えているという現実。味覚の変化には、色々な要因があるのね。

隊長に「大人になって、食べれるようになったものある?」と聞いてみたところ「ないなぁ。」と一言。

そうだった‥そもそも食べられるものが少ない(肉全般NG)上、周りの環境や意見に左右されるようなタイプではない。

偏食夫には、味覚の大人の階段は存在していなかった。これもある種、1つのデータなのか‥‥‥?!

ABOUT ME
risu
studio untrap デザイン担当。物事の順序の組み立て&アイデアの接着が得意。気になることはとことん調べる、調査能力はコナン級。最近気になるもの:Youtube「ロザンの楽屋」 / アリクイ
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POSTED COMMENT

  1. Yuki より:

    ありますねー、味覚の変化。 赤く成ったら山椒の実を手に入れられたら、是非粉にしてみてください。ぴりから鍋や和風麺に合いますよ。

    幼稚園のころ全蕎麦のボソッとした口当たりの蕎麦を食べていました。親たちは美味しいって言ってたけど、子供には苦く感じられ、また生卵が入っていて、どうやって食べようって 必死で食べていました。 でも、今ではその味が私の「蕎麦」になっています。

    味覚については、語れるね~。まだまだ話せるわ~。

    • risu より:

      赤くなった山椒の実!おいなりさんに入れたやつですよねーあの風味いいですね♪

      そうYukiさん!先日、おいなりさん作ってみたんです。
      なかなかいい感じにできました!どうもありがとうございました!がしかし、例の山椒がなかったので、普通の粉山椒を入れてみたのですが、やっぱり物足りず‥いつか手に入ったら、また作ってみます^^

      子供の頃の味覚の出会いって、印象的ですよね。特に苦手かも?と思ったものほど、大人になってからその良さがわかったり。面白いですね~また語りましょ♪