リスノ巣箱

紅葉と風情とスマホの関係〈永観堂へゆく〉

秋のおでかけパターン

どちらかというとインドアの私達。
結婚前の映画デートすら、たった一回。しかも「ハゲタカ」。それくらい、おでかけした記憶は少ない。

そんな出不精の私達が「どこか行く?」というきっかけとなる理由に、誕生日がある。

リスノ誕生日は11月。
隊長の誕生日が2月。

2月のお山は雪深く、出かけることすら難しいことも多々あるので、対象となりやすいのは11月。

紅葉シーズンのこの時期。
おでかけ先のターゲットとなる傾向が高め。

先日の打ち合わせ帰り「ちょっと寄ってみる?」と、急遽立ち寄ってみることになった。

 

 

京都・永観堂(禅林寺)の夜間拝観。

京都・永観堂〈禅林寺〉

初めての永観堂~♪と思い込んでいたけれど、歩き向かっていて思い出した昔の記憶。

 

 

かれこれ9年前にも訪れていた。
今も昔も観光客が多い、京都の秋。

この日は平日の夜ということもあって、まだ少ないほうだと思うけれど、紅葉よりも人影が目に入ってくる。

今年は暖冬と言われているけれど、確かに例年のこの時期は、もっと寒いかも。

9年前の写真の私は、ダウンジャケットにマフラーを着用。今はブルゾンを羽織ったくらいでマフラーなしで大丈夫。

ライトアップされた紅葉は、まだ寒さの洗礼が少ないからか、青紅葉が目立っている。

光と影に映る、もみじとイチョウ。
綺麗だけれど、写真に残すのはとてもムズカシイ。

 

 

カメラ上級者でなければ、撮影のハードルが高い夜間拝観。

カメラマナーと風情

拝観中、観光客の様子が少し気にかかった。

以前に増してあきらかに外国人旅行客が多く、大半がアジア人で、多くは中国人。中国語や英語が耳に入ってくる。

そして、紅葉の手前に並ぶ、カメラ&スマホの液晶画面。禁止されている自撮り棒もチラホラ。

私もこうやって、下手ながらにカメラに収めているので、同じ立場。

だけど、ふと冷静になると…この光景って異常かもなーと思う。紅葉目線から見たら、人の姿っておもしろいだろうなきっと。

絶景ポイントゆえ、混雑する橋の前には、こんな看板も。段差もあるので、注意換気されている。

 

 

撮りたくなる気持ちは、客としてわかる。

だけど、スマホを池に落としたりする事故は多いと聞くし、混雑時の混乱リスクを考えると…職業柄、運営側の責任や、スタッフさんの気持ちも考えてしまって、色々なことが気にかかる。

この日のお客さんも、気にせず?気づかず?立ち止まって「カシャ」とシャッターをきる人は多かった。

もしも、スマホがなかったら‥?

永観堂の御本尊である「見かえり阿弥陀如来像」のお堂に入った時のこと。

お堂の中は、撮影禁止。
思っていたよりも小さな阿弥陀如来様。

 

めちゃ大きく見えるけど、全長は77cm

 

お顔が真横を向いた、珍しいみかえりのお姿。ここだけ、少しばかりの静けさが漂う。

もちろん、人の会話や足音もあるし、スタっフさんの案内の声も聞こえるけれど、シャッターを押す電子音は無い。

外では「カシャ」「カシャ」というシャッター音に混ざって「こちらでは立ち止まらずお進みください」「こちらはカメラ撮影禁止です」「Please,don’t…」と耳に入ってくる声。お堂は静かで、外とは異なって感じる空間。

もしも、スマホがなかったら。
もしも、カメラがなかったら。

目に映るものだけを皆ただ見つめていたら、観光地の雰囲気は違うだろうなぁ。昔はそうだったんだよなぁ。と、想像する私。

今、この空間に風情ってあるかしら。

風景は素晴らしい。
けれど、風情としての違和感はある。

写真やSNSを通じて発信される日本の魅力もたくさんあるだろし、写真や動画で切り取れる思い出もある。地域における観光収入だって大事。

でも、そんな人間の姿も込みで紅葉を見た時、少し感じる違和感。そりゃみんな美しいものを見たいしな~と、生じる矛盾。

いっそのこと、写真を撮ってはいけないエリアを決めるのではなく、写真可能エリアを定めるのもいいな。

撮影したい人には、とびきりの写真スポットでの撮影をUSJで並ぶみたいにエンターテインメント性を高めた参加型にすることによって、他の静寂との「わびさび」をも体験、といった具合はどうだろぅ。そのことを周知させるのて難題だけど、逆にとれば、個性にもなるかも。(リスノ脳内)

京都もお寺も紅葉も好きだけど、いつもこんな気持ちになるこのシーズン。

やっぱり私は、人の少ない観光地をひっそりとゆっくりと巡るのが好き。

 

人が少ないタイミングを狙って♪

 

夜間拝観中は、御朱印の受付もなく残念だったので、また静かな時期にあらためて訪れたい。

永観堂の夜間拝観は、12/2(日)まで。
京都の紅葉の見ごろは、もう一週間ばかり先かな。お山は、さらに一週間先のはず。

観光地の紅葉も素敵だけど、紅葉はお山でもいっぱい見れる。
こうやって、私達はインドアに拍車がかかってゆく~紅葉の京都は、また数年後かな。

ABOUT ME
risu
studio untrap デザイン担当。物事の順序の組み立て&アイデアの接着が得意。気になることはとことん調べる、調査能力はコナン級。最近気になるもの:Youtube「ロザンの楽屋」 / アリクイ
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