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球場がコンサート会場へ変身@星野源”POPVIRUS”

先日「星野源 DOME TOUR “POP VIRUS”名古屋ドーム」に行った。

お仕事以外のコンサートに行くのは久しぶり。また、ドーム球場に野球観戦以外で行くのは、初めての経験だ。

昨年から急速に星野源ファンとなったリスは、朝からソワソワ。いざ、ナゴヤドームへ。

 

さまざまなコンサート会場

コンサートホール以外で音響のオペレーションを行うことも多い。

幼稚園や学校の体育館、多目的スペース、市民会館のロビー、お寺、飲食店、カフェなどがコンサート会場になる。それぞれの会場は、音の反射や吸収の具合、間取りなどに特色があり、中には、音響さん泣かせな会場もある。

以前、音響のアシスタントで行った農協のロビーコンサート。

会場の一面がガラス窓。
ガラスは音の跳ね返りがきついので、ちょっと嫌な感じがしていたが、そんなことを気にする前に、窓の立て付けが悪い。

ドラムを叩こうものなら、その音に反射して窓がビリビリと音を立てる。ドン、ビリビリ、ドン、ビリビリ。

応急処置にと、ティッシュペーパーを丸めて窓枠に挟んだり、養生テープで固定したりと、音響アシスタントというよりはガラス屋さんになった気分だった。

お寺が会場というのもなかなか大変だ。

 

天井が高く、空間が広いのは会場としてはよろしいが、畳敷きが少々ややこしい。

最近は、座椅子や和室用椅子なんてのがあるのでましだが、畳敷きで正座となると大変。大きな声で言えないが、立ち上がろうとしたら…足がしびれて音響卓横でひっくり返るなんてことも経験済み。

野球場がコンサート会場に

さて、星野源コンサートの話。
今回のコンサートツアーはドーム球場が会場。

 

 

即日完売となった、この公演。
運よくチケットがとれて、私達の座席はアリーナ席。

ステージは、スコアボードがある後方に設けられていた。
アリーナ席は、普段は野球選手しか足を踏み入れられないエリア一体に座席が設けられ、ステージから中央をずずずいっと花道がせり出している。

私達の座席は、ちょうどホームベース周辺の場所。

 

 

ステージまでは程遠く、花道の先端に作られたミニステージにほど近いくらいの場所。

人工芝が撤去され、コンクリート丸出しの地面に並べられたパイプ椅子。座席のすぐ横には、一塁側&三塁側ベンチがあった。

今回のドーム公演。
開場は開演の2時間前。約4万人の人が来場するのだから無理もない。

少々早く入った私達は、アリーナ席に設けられた音響や照明の機器類を見に行ったり、うろうろ探検。

花道の途中にワイヤレスマイクの受信機を発見したり、スタンド席の足元のケーブルをどうやって養生しているか、などなど次々に目に入る。

コンサート開始前に、BGM(マイケルジャクソン?)が小音量で流れていたが、音がやまびこのようになっている。多分、スピーカーから出た音が、スタンドに反射して跳ね返ってきている様子。

床面コンクリート、半円状の天井、取り囲む客席、ガラス張りのVIP席と音の反射満載だ。わかってはいたものの「いや~、この会場は音のコントロールが大変そう。」というのが私の印象。

ただ、コンサート本番が始まると、“やまびこ” もどこかへ行ってしまった。

スピーカー吊ってます

ライブ・コンサートサウンドのテクノロジーの進化は凄い。
少々、音の環境が悪い会場でもお客様に“良い音”を届けられるようになっている。

その代表格が、ラインアレイスピーカーと呼ばれるスピーカー。

ラインアレイスピーカー
スピーカーを縦につなげ吊り下げるスピーカー。距離による音の減衰が少なく、明瞭な音声の拡声や、より広いエリアに均一のサウンドを届けられるようになる。

 

※参考写真
右側、吊り下げてあるスピーカーがラインアレイスピーカー。

 

星野源ドームツアーでもステージの天井、そして、アリーナ席の中にもラインアレイスピーカー用の塔(20mを超えるくらいの高さ?)が建てられ、吊り下げられていた。

会場内は撮影が禁止だったので写真は無いが、参考写真のようなスピーカーが吊り下げられているのである。

ラインアレイスピーカーが設置された塔は、アリーナに2塔。近くに行って見上げたりしながら、観察に余念がない私達。

一般的なファンの動きとは違う私達の行動に、案内&警備スタッフさんからの不思議そうな視線を感じつつ、うろうろを楽しむ。

忍者?の登場

そのラインアレイスピーカー用の塔。
照明器具や演出装置も配置され、最大限に活用されている。

出演者を追って照らすピンスポットも、その塔に設置されていた。

 

参照写真:ピンスポット

 

本番が始まる10分前頃、その塔に怪しい人影を発見。黒づくめの服装で忍者のように塔を登る女性。

ピンスポットを担当される照明スタッフさんのようで、塔を登る姿はまさに、照明忍者くノ一。

 

※イメージ

 

ヘルメット&命綱をした照明忍者は、すいすいーと塔を登ってゆく。

ピンスポットは、約15mくらいの高さ。
ピン2灯×2塔で計4名の照明スタッフさんがスタンバイしていた。

リスに「ほら、あれ、照明さんが、塔を登って行ってるで~♪」と言うと少々反応が悪い。「‥すごい。あれは無理や‥」とぼそぼそ。

高所恐怖症のリスは、あの高さの塔に登って、ピンスポットを操作することを想像しただけで、鼓動が早くなって足がすくむらしい。ごくろうさまです。

ドームサウンド

公演がスタート。
音量は爆音ではなく、適度な音量だった。

ただ想定通り、スピーカーから出た音がドーム内に響き跳ね返るため、少々もわっとした音になることは否めない。例えるなら、やまびこから体育館に変わったような感じ。

花道のステージで演奏されていた時、ドラムの生音が耳に入るのと同時に、一瞬遅れてスピーカーからのドラム音が聴こえる。音が耳に届くまでに時間差が生じてしまうのだ。それも、座席によって聞こえ方はそれぞれ違う。

歌と数々の楽器の音量バランスをとりながら、アリーナからスタンドまで聞こえるように音をカバーをすることを考えると‥ドームやアリーナクラスの音響がいかにムズカシイかがわかる。

ドームコンサートは、機材もスタッフの規模も最大級。
準備も想定すべきことも多く、会場の制約や規定、予算の中で遂行していくことを考えると「スゴイ」の一言。

クリアな音はリスが購入するであろうLIVE DVDで楽しむとして、照明や演出、歓声と一体化したドームサウンドをしっかり堪能した名古屋ナイトでした。

 

 

参照★星野源 “POPVIRUS” 名古屋ドームへゆく

 

 




ABOUT ME
Taicho
studio untrapのサウンド担当。美容院の息子に生まれた影響からか。第一印象の人当たりは良し。「早く家に帰りたい」と「大丈夫、何とかなるじゃない~」が口癖。無難かつ合格ラインを見極めて進む『良い塩梅』派。
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POSTED COMMENT

  1. Yuki より:

    隊長さま、おめでとうございます。これからはさらに、楽しもうぜっていう年令でございますので、楽しんでください。

    いいですね、ライブ。私も今時のライブに行ってみなあきませんと思うこの頃です。

    • Taicho より:

      コメントありがとうございます&ありがとうございます。健康で長生きでまいります♪
      今どきのライブもなかなかヨロシイものです。是非是非、足をお運びくださいませ。