芸術の秋に向けてCD制作期

芸術の秋に向けてCD制作期

秋は、”涼しくて気候の良さ”から、人気の季節。

スポーツの秋・読書の秋・食欲の秋‥など、様々な「○○な秋」があるけれど、やはり「芸術の秋」が一番身近に感じる。

土日祝がコンサートですべて埋まる10月から12月を前に、残暑厳しい今の時期、「芸術の秋」に向けての準備は佳境に入ってきた。

7月8月9月は録音月間

秋のコンサートで発売するCD制作は、音源の録音・調整や、CDの製造期間があるために2~3か月前倒しで行われる。

この7・8・9月が制作の過渡期。
出張録音で、コンサートホールに出没することも多い。

広いホールに数人。
演奏家の方々、関係者の方々、そして私。ホール独占感が半端なく漂う。

私はいつも録音のレベルメーターを見ながら、ヘッドホンで音が歪んでないか?変な音が入ってないか?をチェックすると同時に、譜面でも演奏を追いかけている。何か変な音がしたら譜面にメモメモ。

 

 

演奏家の動きで床が鳴ったり、空調は止まっていたとしても室温変化により「ピシッ」「パシッ」と不明な音がする場合もある。明らかに聞こえる雑音が混じった場合は、もう一回ってことになってしまう。

演奏終わりに、書き込み用の鉛筆が譜面台から落下‥消えゆく残響音の中に「カラン・・・コロコロ・・・」という悲しい音が響く…「すいませ~ん、最後の8小節をもう一度お願いします。」という事件も過去にあった。

録音は、音の記録。
一度たりとも同じ演奏はないのだから、集中力&体力がいる現場である。

時にはご意見番も?

クラシック音楽の出張録音の時、私エンジニアの他に、ディレクター、マネージャーの方々が参加されることがある。

ただ、演奏家の方のスタイル(ディレクターはつけない)や予算の関係で、演奏家の方と私だけで録音に臨むパターンも多い。

その場合は、演奏直後に録音した音源を聴いて確認する際、演奏家が自ら演奏の良し悪しを判断する。

その場にいるのは、演奏家&私だけ。
演奏家から「どうでした?」と聞かれることもよくあること。

世の中 “エンジニアは意見を言うべきではない説” もあるけれど、求められた時は正直に視聴者目線でコメントするのが私流。

「そうですね。今の演奏の方がメリハリが効いてると思いますが、一つ前の演奏の方が引き込まれる感はあると思います。」と、コメントをしたものの、少しの間があると「あれ?意味不明だったかな、的ハズレだった?抽象的なコメント過ぎた?」と思う時もあるのだけど…

「ですよね~。私も一つ前の演奏の方が気持ちは入ってました。」と言ってもらい、ホッとするなんてことも多い。

時にはディレクター(演奏家以外に演奏の良し悪しをジャッジする人)からも、「今の演奏どうでしたか?」「どっちがいいと思いますか?」「何回目の演奏がいいと思いますか?」とたずねられることも。

私の意見でいいのだろうか?と思いつつ「二回目の演奏の方が良いと思います。二回目の演奏を採用しましょう。」と言ってしまう私。

時に私の判断も加味されて作り上げられていくことは、なんとも嬉しいことだ。制作の醍醐味ここにアリ。

とはいえ、エンジニア目線を保持しつつも、視聴者目線も共存させる。気を抜く時間もないまま、進行していくレコーディングデイ。

 

今秋、発売予定です

レコーディングは、時間に限りがあるため、ぶっ続けでの演奏/録音が多い。

ほどほどに休憩はとるパターンが多いものの、8時間休憩無しで演奏に向き合った方もいた。何時間も演奏しなければいけない演奏家の方々は、私以上に集中力&体力がいるのは言うまでもない。

今秋には、4枚のCDが発売を控えている。
時期に少しの差はあるものの、レコーディング・調整・編集とジャケットデザインが同時期に立体交差していくので、スタジオアントラップの正念場。

通年、CD制作は1年に2枚というペースだったものの、今年は先日1枚(話花場さん1stCD「出芽」)担当したので、計5枚の制作を担当。今日はCD制作の打ち合わせ、今週半ばには、違うCDのホールレコーディングとつづく制作日和。

私の意見や感想がちょっとだけ反映されているかもしれない?CDが発売を迎える頃には、芸術の秋~冬が到来する。

駆け足で過ぎていく数ヶ月‥となりそうな気配がむんむん。無事に完走できるよう、努めてまいります!

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